Platt D, Muller I, Sufraz A, Little P, Santer M. GPs' perspectives on acne management in primary care: a qualitative interview study. Br J Gen Pract. 2020 Dec 28;71(702):e78-e84. doi: 10.3399/bjgp20X713873. PMID: 33257464; PMCID: PMC7716869.
https://bjgp.org/content/71/702/e78.short?rss=1
背景
ニキビは一般的な皮膚疾患であり、ほとんどの思春期の若者がどこかの時点で罹患する。ガイドラインでは外用薬が第一選択とされているが、経口抗菌薬の長期投与が一般的に行われる。
目的
ニキビの管理に関するGPの見解を探る。
デザインとセッティング
イングランド南西部のGPを対象とした質的インタビュー調査。
方法
GP の教育者が情報を発信するために使用している既存の電子メールリストを介して GP を招待した。性別、診療年数、診療所が農村部か都市部かに関して幅広い参加者をリクルートするために合目的的サンプリングが行われた。半構造化された電話インタビューは、インタビューガイドに沿って行われ、録音と書き起こしが行われた。データは、NVivoソフトウェア(バージョン11)を用いた帰納的テーマ分析を用いて分析した。
結果
合計102名のGPが招待され、そのうち20名が参加した。分析の結果、外用薬に関する不確実性、特に入手可能な製品、副作用に関する課題、外用薬の受容性に関する不確実性が明らかになった。GPは一般的に、外用薬は経口抗菌薬よりも効果が低いと認識している、または,外用薬は効果がないとの患者の見方から、経口抗菌薬を処方するよう患者から圧力をかけられていると認識していた。GPは経口抗菌薬を処方することに慣れていると述べ、ニキビにおける抗菌薬のスチュワードシップ(責任を持って管理すること)についての懸念をほとんど表明しなかった。また、ニキビに対する抗菌薬の使用は3ヶ月を超えてはならないというガイダンスを知らないGPもいたが、抗菌薬の中止に関する患者との難しい会話を避けることに言及したGPもいた。
結論
GPは、ニキビの外用治療について不確実性を表明しており、治療効果が低いと感じているか、経口抗菌薬を処方するように患者から圧力を感じているかのどちらかであった。
感想
プラクティスエビデンスギャップの理由を質的に探索した研究.実装を意識したとても家庭医らしい研究だと思う.私自身はニキビの診療にそこまでかかわったことはないのですが,よほどのことがなけれな経口抗菌薬は使わないと思うので,彼我の差があるのかもしれない.