Grijpma JW, de la Croix A, Kleinveld JH, Meeter M, Kusurkar RA. Appreciating small-group active learning: What do medical students want, and why? A Q-methodology study. Med Teach. 2020 Dec 17:1-18. doi: 10.1080/0142159X.2020.1854705. Epub ahead of print. PMID: 33327835.
https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/0142159X.2020.1854705?af=R
序章
小グループでのアクティブラーニング(Small-Group Active Learning: SMAL)を効果的に行うためには、学生が有意義に学習活動に参加して知識を構築する必要がある。教員は学生をこのプロセスに関与させることに困難を覚えるかもしれない。そこで本研究では、医学生のSMALに対する評価の多様性を、認識論的信念(epistemic belief)と学習アプローチの概念を用いて明らかにすることを目的とした。
研究方法
Q方法論とは、主観性を体系的に研究するために用いられる混合方法論的研究デザインである。アクティブラーニングの方法に関する54のステートメントが作成された。医学生1年生を対象に、これらの記述に対する同意度を順位付けし、その理由を説明してもらった。データの分析には、by-person因子分析を用い、共通の視点を持つ参加者をグループ化した。
結果
4因子のsolution(すなわちプロファイル)が、52人の学生から収集したデータに最もフィットし、分散の52%を説明した。それぞれのプロファイルは、SMALに関する共通の視点を記述していた。私たちは、プロファイルを「理解志向」「評価志向」「グループ志向」「実践志向」として特徴づけた。
議論
4 つのプロファイルは、学生が SMAL をどのように評価しているのか、そしてなぜ評価が異なるのかを説明している。教師は、学生の認識論的信念や学習へのアプローチに関連して、SMALの授業を設計して教える際に、より良い情報に基づいた意思決定をするために、プロファイルを使用することができます。これにより、学生のSMALに対するモチベーションと関わり方が向上するかもしれない。
用語確認:Q方法論 Q-methodology
http://ir.lib.fukushima-u.ac.jp/repo/repository/fukuro/R000005405/2-552.pdf
Q方法論についてかなり詳しく書かれており,興味があれば一読を.以下,簡潔にまとまっている個所を引用する.
価値観を解明する有効なアプローチとしてQ方法論(Q methodology) がある。これは人々の価値観や世界観、ある事象への意味付けなどの主観的な 考え(subjectivity)に焦点を当て、その中から主要な視点を総体的に明らか にすることを目指す手法である。一般的には、視点を明らかにするために必要なアイテムのセット、いわゆるQセット(Q set)を作成した上で、それを一定の分布に従って並べるQ分類(Q sort)を参加者が実施する。このQ分類を通じて量的なデータを収集した上で、そのデータを因子分析にかけることに よって主要な視点を抽出し、その意味を解釈する。量的調査に加えてインタビューなどの定性的な手法を組み合わせる混合研究法が推奨されており、そうすることで調査対象となる人々が持つ視点を豊かに明らかにすることが可能となる。
日本語だと他に看護研究で使用例があった。
http://www.zaitakuiryo-yuumizaidan.com/data/file/data1_20180625052558.pdf
あとは農水省にリンクのある
https://www.maff.go.jp/primaff/kanko/project/attach/pdf/170731_30kyokyu4_05.pdf
がありました。
以下のような背景があって今は軸の回転を考慮する因子分析の方が主流で、Q方法論はあまり行われていないと自分なりに理解しました。
http://opac.ll.chiba-u.jp/da/curator/900025601/
感想
Q方法論を初めて知りました.