2021年1月22日金曜日

夜更かしは睡眠の質を下げるのか

Zhu L, Meng D, Ma X, Guo J, Mu L. Sleep timing and hygiene practices of high bedtime procrastinators: a direct observational study. Fam Pract. 2020 Nov 28;37(6):779-784. doi: 10.1093/fampra/cmaa079. PMID: 32785594.

https://academic.oup.com/fampra/article-abstract/37/6/779/5891432?redirectedFrom=fulltext

背景

夜更かし(Bedtime procrastination:BP)は、心理学的な観点から睡眠不足の重要な指標であることが証明されている。しかし、BPが睡眠不足に関連する睡眠パターンに与える影響については不明な点が多い。

目的

本研究では、自己申告による睡眠タイミングと衛生習慣の特徴を、高・中等度のBP者と低・中等度のBP者の間で検討することを目的とした。また、これらの特徴と高レベルのBPとの関係を検討することを目的とした。

調査方法

本研究では、合計391名の中国人大学生を募集した。参加者は、人口統計学的指標、睡眠タイミングの変数、睡眠衛生実践尺度(SHPS)およびBP尺度(BPS)に関する質問票に記入した。

結果

高BP者は、SHPSのグローバルスコアとサブドメインスコアが高い傾向があった(Ps < 0.001)。また、平日と週末の両方で、睡眠の開始、睡眠の終了、起床時間が遅くなる傾向があった(Ps < 0.01)。高BPの有病割合に対する有意な独立決定因子は以下の通りであった。SHPS合計スコア[オッズ比(OR)=1.05、P<0.001]、覚醒関連行動(OR=1.07、P<0.007)、睡眠スケジュールとタイミング(OR=1.12、P<0.001)、平日の睡眠開始(OR=2.65、P<0.001).

結論

高BP者は不適応な睡眠関連変数を示し、主に覚醒関連行動の変化、睡眠スケジュールとタイミングの変化、平日の入眠時間の遅れなどが明らかになった。この知見は、プライマリ・ヘルスケアにおける適切な介入の策定の指針となる可能性がある。

感想

夜更かしが睡眠衛生に与える影響ってはっきり分かっていなかったのですね.プライマリケアならではというか、真剣に臨床しているからこそ出てくるRQだなと思いました。