Ten Cate O, Pool IA. The viability of interprofessional entrustable professional activities. Adv Health Sci Educ Theory Pract. 2020 Dec;25(5):1255-1262. doi: 10.1007/s10459-019-09950-0. Epub 2019 Dec 23. PMID: 31872327.
https://link.springer.com/article/10.1007/s10459-019-09950-0
多職種連携教育(IPE)と遂行可能業務(EPA)は、近年注目を集めている医療従事者教育の2つのトピックである。IPE(様々な医療従事者が最適なケアを目指してお互いに学び合う時間)が持つ固有の焦点は、集団に対するものである。一方、EPA(研修生が監督なしで特定の活動を実行するために必要な能力があることを示した後に、研修生に完全に任せることができるようになる,専門職としてのプラクティスの単位)は、個人に焦点を当てている。この2つを関連づけようとすると摩擦が生じる可能性があり、問題は、この2つを両立させることができるのかということである。多職種間EPAやチームEPAは有用な概念なのか,そして有用であるならば、どのような形であるべきなのか?著者らは、現代の医療におけるほとんどの仕事には多職種連携が含まれていると主張している。EPAのなかには、救急チームワーク、多職種チーム会議の運営、手術など、多職種間に固有の性質を強く持っているものがある。一方,多職種間連携にそこまで依存していないEPAもある。著者らは、他のEPAとは対照的に,多職種間のチームEPA(チーム単位で認定されうる、あるいは認定されるべきもの)も、個人を対象とした多職種EPAも、いずれも実行可能な概念ではないと結論づけている。しかし、著者らは、医療従事者を認定し、研修生にほとんどの臨床業務を任せる際には、多職種連携の能力を確認する必要があることを疑問視しているわけではない。ほとんどの EPA に対し,学習者を評価し、委託する決定を行う際には、この点を考慮しなければならない。これは、臨床現場における多職種連携能力の強化に役立つ。
感想:研究論文ではないですが,IPEとEPAというホットトピックについての論考だったので興味深く読みました.EPAはあくまで個人に対するものであり,「この個人は多職種連携ができる能力があるのか」を評価するのがよいということなのでしょうか.