Bissmann B, Zumbrunn SK, Gross S,et al. Does checklist-guided shared decision making have a sustained effect on code status decisions among medical inpatients? Long-term follow up of the randomized CLEAR checklist trial. J Gen Intern Med. 2026;41:3962–3972. doi:10.1007/s11606-026-10397-4.
背景
蘇生処置に関する意思決定(コードステータス)の話し合いは、予後や蘇生処置に伴うリスクなどの重要な情報が十分に扱われず、不十分なことが多い。ランダム化比較試験であるCLEAR試験では、チェックリストを用いて共同意思決定を支援することで、患者の意思決定に対する不確実性が減少し、話し合いへの満足度や知識が向上するなど、ケアの質が改善した。また、入院中に心肺蘇生を行わない(DNR)という希望を示す患者の割合も高かった。本研究では、これらの効果が長期的にも維持されるかを評価した。
目的
平均3.2年後の電話インタビューにより、診療録に記録されたコードステータス(主要評価項目)と、蘇生処置に関する患者の一般的な知識を含む探索的副次評価項目を評価すること。
研究デザイン
前向きランダム化比較試験の長期追跡研究。
対象
先行するCLEAR試験に参加した内科入院患者1,954人のうち、604人が死亡し、情報欠損により10人が除外されたため、1,340人を解析対象とした。平均年齢は65.0歳(標準偏差16.3)、女性は44.1%であった。
介入
予後、蘇生処置の転帰、患者の価値観を扱う視覚的な意思決定支援ツールを含む共同意思決定チェックリストを用いたコードステータスに関する話し合いを、通常診療と比較した。
主要評価項目
追跡時点で最後に記録されていたコードステータス。
主な結果
追跡時点でDNRが記録されていた患者の割合は、介入群で通常診療群より有意に高かった(251人[36.1%]対191人[29.8%]、調整リスク比1.23、95%信頼区間1.04–1.45、p=0.02)。一方、蘇生処置に関する知識については、両群間に有意差は認められなかった。
結論
共同意思決定によるコードステータスの話し合いから数年が経過すると、患者が蘇生処置やその予後に関する具体的な知識を保持している程度は低かった。しかし、介入群ではDNRを希望するという記録の割合が高い状態が維持されていた。十分な情報に基づく一貫した意思決定を支援するためには、予後や予想される転帰を含めた話し合いを繰り返し行う必要性が示された。
感想
話し合いの内容は忘れていて、コードの記録だけが残っている、ということでしょうか。DNRの記録が独り歩きするのは望ましくないと思うので、繰り返し話し合いましょうということなのだろうと思います。長期アウトカムを追いかけているのは素晴らしい取り組みですね。