Hettiarachchi D, Bradfield O, Tayal A, Bismark M. "It does feel different when you're seeing a colleague": a qualitative study of general practitioners' experiences of treating doctor-patients. Br J Gen Pract. 2026 Nov 2. doi:10.3399/BJGP.2026.0043.
背景
医師は、一般職業人口と比較して、バーンアウト、自殺、物質使用に関する問題の割合が高く、医療を受ける際にも多くの障壁に直面している。先行研究では、医師を患者として診療する際の指針を改善する必要性が指摘されている。
目的
医師である患者を診療する家庭医の経験を探索し、医師の健康を改善するための投資、政策、研修の取り組みに役立つ知見を明らかにすることを目的とした。
研究デザインとセッティング
オーストラリアの家庭医22人を対象とした質的研究である。
方法
半構造化個別インタビューを実施し、逐語録を作成した。分析にはリフレクシブ・テーマ分析を用いた。
結果
5つのテーマが抽出された。
第一に、医師である患者が医療を受ける際の障壁には、実務的、職業的、心理的なものがある。
第二に、医師である患者の専門知識に配慮して診療を調整し、専門職としての境界を維持しながら、丁寧な診療を行い、互いの期待を明確にすることで、これらの障壁を軽減できる可能性がある。
第三に、義務的な報告が必要となることはまれである。義務的な報告は、健康上の問題を抱える医師の回復を支援する場合がある一方で、治療的関係を損なう可能性もある。
第四に、医師の間で家庭医による診療の価値を認め、かかりつけ医の役割を明確に定義するとともに、医師が援助を求めることを当たり前のこととして受け入れる文化を育むことで、医師が継続的に家庭医の診療を受けることを促進できる。
第五に、医師である患者を診療することは、家庭医にとって非常にやりがいのある経験となり得る。
結論
医師を取り巻く職業環境がますます複雑化し、さまざまな課題に直面するなかで、医師自身の健康を優先し、適切なタイミングで援助を求めることを促進する必要がある。家庭医は、同僚である医師に対して支援的なケアを提供するうえで、独自の重要な役割を担っている。家庭医が医師である患者を効果的に診療し、医事法務上の複雑な問題に対応できるようにするためには、支援体制の整備と文化的な変革が必要である。
感想
単にどうやって診察しているかだけではなく、システムと文化の変革まで射程に入れているという点で、深く分析されている、とてもいい論文だと思います。