Caton J, Sun B, Steele N, Santiago C, Antara F, Hom J, Dougherty R. Hospital-Based Clinicians’ Knowledge and Practices Regarding Stigmatizing Language in Clinical Documentation: A Multicenter Survey. J Gen Intern Med. 2026 Oct 7. doi: 10.1007/s11606-026-10803-x.
背景 スティグマを伴う言葉遣いは医療記録に広くみられ、偏見を助長し、その後の臨床判断や患者ケアに影響を及ぼす可能性がある。内科の指導医、研修医、Advanced Practice Provider(APP)は、臨床記録を作成する最前線の医療者である。また、指導医とAPPには、研修医に適切な記録方法についてフィードバックや教育を行う役割もある。しかし、研修医、APP、指導医が、医療記録におけるスティグマを伴う言葉遣いに対応する準備ができているかは明らかでない。さらに、このような言葉遣いに関する医療者の知識、態度、行動についても、十分にわかっていない。
目的 臨床記録におけるスティグマを伴う言葉遣いについて、研修医、APP、指導医の経験、価値観、信念を明らかにすることを目的とした。
方法 横断的なオンライン調査と知識テストを実施した。
対象者 2つの大規模な大学内科部門に所属する内科研修医、指導医、APPを対象とした。
主要評価項目 知識テストでは、臨床記録の抜粋に含まれるスティグマを伴う言葉遣いを識別する能力を評価した。質問紙では、リッカート尺度による質問を用いて、言葉遣いに関する態度と、自分自身のスキルに対する認識を評価した。
結果 指導医・APP群から82人(指導医72人、APP 10人、回答率52%)、研修医群から63人(回答率21%)の回答を得た。
回答者のほぼ全員が、自分の言葉遣いが患者に与える影響を考慮していると回答した(指導医・APP群91%、74人;研修医群92%、58人)。また、他の医療者への影響を考慮していると回答した割合も高かった(指導医・APP群90%、73人;研修医群84%、53人)。
しかし、自分の臨床記録がスティグマを伴う言葉遣いを避けられていると自信を持っていたのは、指導医・APP群の10%(8人)、研修医群の24%(15人)にとどまった。 さらに、知識テストで評価された11個のスティグマを伴う用語をすべて正しく識別できたのは、指導医・APP群の4%(3人)、研修医群の3%(2人)だけであった。
結論 参加施設の指導医・APPと研修医は、患者中心の言葉遣いの重要性を認識している一方で、このテーマに関する知識やスキルが不足していた。この結果は、対象を絞った教育的介入と、システムレベルでの介入を今後開発する重要性を示している。
感想
カルテ記載内容を扱ったスティグマに関する研究。面白い着眼点です。