Pentzek M, Löscher S, Voigt K, Piller S, Döpfmer S, Kretzschmann C, et al. Recruitment and participation of general practices in research networks: quantitative evaluation of the first joint study in six German practice-based research networks. BJGP Open. 2026 Oct 6. doi:10.3399/BJGPO.2026.0113.
背景
研究への参加を目的として家庭医診療所を募集することは難しい。診療所を基盤とする研究ネットワーク(practice-based research networks:PBRN)は研究参加を促進する可能性があるが、新たに設立されたPBRNが多施設共同研究で実際にどのように機能するかについては、十分に知られていない。
目的
ドイツの6つのPBRNが初めて共同で実施した研究において、参加施設の募集に要する労力、参加状況、データの完全性、および研究参加の受容性を評価すること。
研究デザイン・設定
ドイツの6つのPBRNに属する18の大学拠点で実施された、多施設横断的な実施可能性研究。
方法
家庭医診療所は、オンライン調査システムREDCapを用いた質問票に回答した。質問票では、診療所の特性、診療所管理システム(practice management systems:PMS)から手作業で抽出した患者数の集計データ、および新型コロナウイルス感染症後・ワクチン接種後に関連する症状についての考え方を収集した。
各研究拠点は、連絡やリマインダーの実施状況、および募集に費やした時間を記録した。拠点ごとの募集戦略を特徴づけるために2段階クラスター分析を行い、データの完全性に関連する要因を検討するために一般化線形混合モデルを用いた。
結果
連絡を取った906人の家庭医のうち、156人が研究に参加した(17.2%)。このうち、69人(全体の7.6%)が、項目回答率90%以上のほぼ完全なデータセットを提供した。
募集には全体で134時間のスタッフ労働を要した。ほぼ完全なデータセットを1件得るために、平均して約2時間の労働と、13人への連絡が必要だった。募集に要する労力には、研究拠点間で大きなばらつきがあった。
募集戦略は2つのクラスターに分類された。1つは、電子メールを中心とした労力の少ない戦略で、より多くの診療所を募集できた。もう1つは、電話連絡を多用する労力の大きい戦略で、回答率は高かったものの、受容性は低かった。
データの完全性は、診療所管理システムから抽出した患者データで最も低かった。データの完全性は研究拠点によって異なったが、PBRN間や募集戦略のクラスター間では差が認められなかった。また、年齢が若い家庭医、女性の家庭医、複数の医師が勤務する診療所、および過去に研究経験のある家庭医で、データの完全性が高かった。
結論
ドイツのPBRNが初めて共同で実施した本研究では、研究ネットワークに所属していても、参加率とデータの完全性は限定的だった。今後のPBRN研究では、各研究拠点の実施能力、診療所の研究経験、そして日常診療データをより容易に抽出できる仕組みが重要と考えられる。
感想
登録はしていても回答してくれる診療所は少ないという、さもありなんという結果です。現場の労力を減らす戦略と、どこにお願いするかという戦略が必要なのですかね。