Fung K, Sujan AC, Bateman BT, Straub L, Hernandez-Diaz S, Brill G, et al. Benzodiazepine use early in pregnancy and risk for congenital malformations. Ann Intern Med. 2026 Oct 13. doi:10.7326/ANNALS-25-05148.
背景
妊娠中のベンゾジアゼピン系薬剤の使用と先天奇形との関連について、これまでの研究結果は一致していない。
目的
妊娠第1三半期にベンゾジアゼピン系薬剤に曝露した場合の、主要な先天奇形のリスクを評価すること。
研究デザイン
米国における集団ベースのコホート研究。
研究セッティング
Medicaid(2000~2018年)およびMerative MarketScan(2003~2020年)のデータベース。
対象者
妊娠前90日から分娩後30日まで保険に加入していた妊婦と、出生後90日間保険に加入していた生児。
評価項目
曝露は、妊娠第1三半期にベンゾジアゼピン系薬剤を少なくとも1回調剤されたことと定義した。
主要評価項目は、すべての主要な先天奇形、および過去の研究でベンゾジアゼピン系薬剤への曝露との関連が報告されている臓器別の先天奇形とした。
交絡因子を調整するため、傾向スコアの細分化層別化に基づく重み付けを用い、薬剤曝露群と非曝露群を比較して相対リスクを推定した。相対リスク1.3以上を、臨床的に重要なリスク上昇と事前に定義した。
結果
公的医療保険加入者では2,478,434件の妊娠のうち51,339件(2.1%)、民間医療保険加入者では1,750,721件の妊娠のうち27,779件(1.6%)で、ベンゾジアゼピン系薬剤への曝露が認められた。
先天奇形全体の調整後絶対リスクは、曝露群と非曝露群の比較で、公的医療保険加入者ではそれぞれ4.0%と4.1%、民間医療保険加入者ではそれぞれ4.9%と4.8%であった。
両データベースを統合した調整後相対リスクは0.99(95%信頼区間0.96~1.03)であった。
臓器別の先天奇形との関連は、感度分析では一貫して認められず、用量反応関係も認められなかった。ベンゾジアゼピン系薬剤の種類別に解析した結果も、同様であった。
一部の解析では、ベンゾジアゼピン系薬剤と他の向精神薬を併用した場合、特定の臓器別先天奇形のリスク上昇が認められた。しかし、一貫した傾向は確認されなかった。
研究の限界
曝露およびアウトカムの誤分類が、非差別的に生じている可能性がある。また、解析対象は出生時に認められる先天奇形に限定されていた。
結論
複数のデータソースを通じて、先天奇形のリスクが大幅に上昇するという一貫した証拠は認められなかった。
他の薬剤との併用に関する解析結果は一貫しておらず、さらなる研究が必要である。
感想
限界はもちろんありつつも、おそらくリスクはないだろうということで、重要な研究だと思います。