Staeck, R., Sauer, C., Zwahlen, M. et al. Physician Emotion and Self-disclosure in Serious Illness Conversations: Impact on Trust, Compassion, Professionalism and Comfort. J GEN INTERN MED (2026). https://doi.org/10.1007/s11606-026-10590-5
背景
医師は、プロ意識の欠如を懸念して、感情表現や個人的な自己開示を避けることが多い。重篤な疾患の治療において、患者がこうした行動をどのように受け止めるかを理解することは、コミュニケーションを円滑にする上で重要である。
客観的
医師の自己開示と感情表現が、思いやり、信頼、プロ意識、安心感といった認識にどのように影響するかを評価する。
デザイン
スイスの一般市民を対象とした人口ベースの調査に基づき、自己開示、感情表現、コミュニケーションの明確さなど、診察における11の側面を体系的に変化させた臨床シナリオ研究を実施した。データは、ランダム切片と選択された交互作用項を含む多段階線形回帰を用いて分析した。周辺平均値と95%信頼区間を報告した。
参加者
合計1572名の参加者(女性51.4%)が、それぞれ5つの短い物語を評価した。参加者は、年齢、性別、言語に関する割り当てを適用した便宜的サンプリングによって募集された。
主な対策
思いやり、信頼、プロ意識、安心感を11段階評価で評価。
主な成果
参加者の平均年齢は50.6歳(範囲:16~94歳)であった。感情表現、特に目に見える感情表現と自己開示は、共感、信頼、快適さの評価が高いことと関連していた(p < 0.05)。一方、目に見える感情表現は、認識されたプロ意識に有意な影響を与えなかった(p = 0.349)。有意な交互作用は、その効果が相談の状況と参加者の特性(年齢、言語、教育など)によって異なることを示していた。
結論
医師の自己開示と感情表現は、プロ意識を損なうことなく、思いやり、信頼、安心感といった患者の認識を向上させた。これらの知見は、医療文化における一般的な認識に疑問を投げかけ、こうした行動が重篤な疾患の治療における医師と患者の関係を強化する可能性を示唆している。
感想
重要な着眼点で、デザインも工夫があり面白いです。JGIMの研究っぽい感じですね。同様のデザインでいろいろ研究できそうです。