Thomas P, Carter B, Earle CC, et al. Factors associated with early death from de novo metastatic breast cancer in Ontario, Canada. CMAJ. 2026;198(36):E1392-E1403. doi:10.1503/cmaj.260156.
背景
女性の乳がんによる早期死亡には、疾患の生物学的特性に加え、年齢、社会的周縁化、社会経済的地位、居住地域の農村性、プライマリ・ケアへのアクセスなどの要因が影響する。本研究の目的は、初診時に遠隔転移を認めることで定義される、初診時転移性乳がんと診断された患者において、早期死亡と関連する要因を明らかにすることである。
方法
カナダ・オンタリオ州の2010~2019年の医療行政データを連結して用い、集団ベースの後ろ向きコホート研究を実施した。オンタリオ州がん登録を用いて、初診時転移性乳がんと診断された成人患者を特定した。主要アウトカムは早期死亡の頻度とし、がん診断から6か月以内の死亡を早期死亡と定義した。早期死亡と関連する患者、がん、および医療提供者の特性を明らかにするため、多変量ロジスティック回帰分析を行った。
結果
初診時転移性乳がんと診断された4,004人の患者のうち、22.9%(918人)が早期死亡を経験した。
オンタリオ州社会的周縁化指数のうち、世帯・住居および物質的資源の領域におけるスコアが高いことは、早期死亡と有意に関連していた。それぞれのオッズ比は1.27(95%信頼区間1.04~1.55)および1.21(95%信頼区間1.00~1.46)であった。
プライマリ・ケア医に登録していることは、早期死亡のオッズの有意な低下と関連していた(オッズ比0.74、95%信頼区間0.62~0.88)。
また、早期死亡の頻度には地理的地域によるばらつきが認められた。さらに、全身療法の開始後には、農村部に居住する患者で早期死亡が増加していた。
解釈
オンタリオ州において、初診時転移性乳がんと診断された患者の早期死亡には、社会的周縁化、プライマリ・ケア医へのアクセス、および地理的要因が関与している。プライマリ・ケア提供者へのアクセスを改善することは、これらの患者の早期死亡を減らすうえで有用である可能性がある。
感想
プライマリケアへのアクセスが予後を改善するというエビデンスの一つですね。