2021年1月20日水曜日

緊急じゃないのに小児ERを受診する理由

Akbayram HT, Coskun E. Paediatric emergency department visits for non-urgent conditions: Can family medicine prevent this? Eur J Gen Pract. 2020 Dec;26(1):134-139. doi: 10.1080/13814788.2020.1825676. PMID: 33025832; PMCID: PMC7580770.

https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/13814788.2020.1825676?af=R

背景

トルコでは、家庭医は診療時間内にのみ診療を行う一方で,救急サービスは24時間365日無料アクセスできる。緊急でない小児患者であっても、小児救急科(PED)が利用されることが一般的である。トルコでは、なぜ緊急性のない小児医療に家庭医ではなく救急医療が利用されているのかについてのエビデンスはほとんどない。

目的

非緊急のPED受診に影響を与える原因と要因を評価する。非緊急の小児治療で家庭医を利用しない理由を明らかにする。

方法

2019 年 4 月-5 月に Gaziantep 大学 PED で横断調査を実施した。5段階トリアージシステムを用いて非緊急(レベル5)にトリアージされた小児(1ヶ月~16歳)の保護者にアンケートを実施した。

結果

総勢457名の保護者を対象に調査を行った。患者の平均年齢は6.5±4.7歳で、24.5%が慢性疾患を持っていた。保護者の3分の1(33.7%)が子どもの状態を「非常に緊急」と考えていた。家庭医や他の医療機関ではなくPEDを希望する理由として最も多かった(42.5%)のは、子どもの状態が悪化すると考えたからであった。患者のうち253人(55.4%)が診療時間外に受診した。保護者の58.9%が家庭医に満足していたが、子どもの健康状態に問題があるときは家庭医よりも他の専門医を希望すると回答した保護者が大半(67.8%)を占めた。小学校を卒業した学歴のある父親は、家庭医よりも他の専門医を好む傾向が強かった。

結論

親の緊急性の認識と子どもの状態が悪化するという考えが、緊急性がないのにPEDを受診する主な理由である。

感想

家庭医としてはグサグサと刺さる論文ですが,このような受診行動の背景について明らかにする研究はとても大事だと思います.テーマが核心をついている&手法はシンプルという,自分がお手本にするにはとても良い論文だと思いました.