2021年1月8日金曜日

孤独が受診に与える影響

 Hooker SA, Stadem P, Sherman MD, Ricco J. Patient loneliness in an urban, underserved family medicine residency clinic: prevalence and relationship to health care utilization. Fam Pract. 2020 Nov 28;37(6):751-758. doi: 10.1093/fampra/cmaa065. PMID: 32632440.

https://academic.oup.com/fampra/article-abstract/37/6/751/5868158?redirectedFrom=fulltext


背景

孤独(loneliness)が,心血管疾患や早世など、悪い健康アウトカムのリスクを高めることを示唆する証拠が多数存在する。

目的

この研究では、都市部の十分な医療サービスがない(underserved)地域にある家庭医療研修クリニックにおける孤独の有病割合、および孤独と医療ケア利用との関連性を調査した。

方法

成人患者(N = 330.年齢中央値 42.1歳、SD = 14.9.女性63%.アフリカ系アメリカ人58%)に対し、2018年11月から2019年1月の間に,プライマリケアを受診した時に3項目のUCLA孤独スクリーニング(UCLA Loneliness screener)を行った。後方視的ケースコントロール研究のデザインを使用して、孤独と認識された患者とそうでない患者との間で、過去2年間の医療ケア利用(入院、救急受診、プライマリケア受診、不受診(予約したが来院しなかった)、紹介)を比較した。人口統計的特徴と臨床的特徴を共変量とした.

結果

患者の半数近く(44%)が孤独のカットオフ値を超えていた。孤独な患者は、アフリカ系アメリカ人である、うつ病を患っている、薬物使用障害がある可能性が高かった。孤独な患者は、孤独でない患者に比べて,入院期間が有意に長く、プライマリケアの受診、不受診、紹介が多かったが、入院や救急受診の回数に差はなかった。

結論

都市部の十分な医療サービスがない地域にあるプライマリケア診療所における孤独の有病割合は、先行研究におけるプライマリケアでの有病割合の推定値よりもはるかに高かった。孤独な患者は、孤独ではない患者よりも多くの医療資源を利用している可能性がある。プライマリケアは、孤独がヘルスケアのアウトカムに及ぼす影響をさらに理解するために、孤独な患者を同定するための理想的な環境であるかもしれない。

感想

孤独の有病割合についての記述疫学と,孤独とヘルスケアの関係を明らかにするための観察研究からなる論文.すでに確立している孤独の測定法を用いている.孤独に関連する臨床アウトカムは入院や救急ではなくプライマリケアでみられていることから,孤独に対応するのはプライマリケアの役割であることを主張している.交絡の調整については注意が必要.