2022年5月15日日曜日

パートタイム研修から得た主体性


Alexander SM, Byerley JS, Page CP, Holmes AV, Beck Dallaghan GL. Reflections on part-time residency training, 15-25 years later: a qualitative study on wellness and career impact. Teach Learn Med. 2022 Apr 17:1-8. doi: 10.1080/10401334.2022.2050241. Epub ahead of print. PMID: 35435100.


様々な理由で「非常勤での研修」を受け、修了した医師にインタビューを行い、非常勤研修が職業生活やし背うかつにどのような影響を与えるかを探った研究です。

とても重要なテーマだと思います。様々な理由で、full-timeでの研修ではなくpart-timeでの研修が適しているようなことはたくさんありますし、従来のマッチョな医師像、研修像から医療界は早々に脱しないといけないと思っています。


この研究の素晴らしい点は、非常勤研修を「仕方なしに選択するsecond-bestな選択肢」として扱っておらず、むしろ非常勤研修を修了したことで得られたポジティブなテーマを見出しているところです。


小児科、内科・小児科併用、家庭医学の各プログラムで1995年から2005年にかけてパートタイムでレジデント研修の一部を修了した医師に対してインタビューを実施しました。研究参加者は、女性医師7名でした。

現象学の枠組みで分析を行い、非常勤研修の理由と利点として、4つの包括的なテーマを決定しました。「長時間トレーニングの追求」、「ロジスティックス」、「キャリア軌道への影響」、「ウェルネス」というテーマは、非常勤研修の有用性と、その成功を確実にするためのプログラムの必要性を強調するものでした。


これらの分析から、非常勤研修を通じて参加者は主体性を獲得していることがわかりました。さらにこの主体性の感覚はキャリアを通して持続していました。


非常勤研修に関するこの質的研究は、研修機会の多様性を確保し、レジデントのレジリエンスを高めるために重要な位置づけになると思います。