2019年7月10日水曜日

Clinical Problem Solvingが出版されました。


Journal of General and Family Medicineから、Clinical Problem SolvingがPublishされました。

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/jgf2.264

腹痛が主訴だけど、どうも経過がおかしく、あれ?というケースです。
繰り返し症状を評価すること、common diseaseの臨床像(illness script)を完全に理解しておくことの重要性がわかります。

ぜひご笑覧ください。


2019年7月1日月曜日

痛みを訴えない痛み


研修医の先生が経験した事例(個人情報保護のため改変しています)

70台男性。半年前から認知機能低下と幻視が出現している。
2週間ほど前から突然、家でいないはずの人影を追い出そうと暴れたり、夜間に玄関先に座って示威行為をしたりなどの行動が出現。同居の妻が手に負えないとのことで、精神科での医療保護入院となった。
研修医が診察すると、パーキンソニズムに加え、左大腿の腫脹に気づいた。ズボンを脱がせて診察すると、L2領域を中心に立派な帯状疱疹があった。
LBDを背景に、帯状疱疹による疼痛が精神症状に寄与していると考え、抗ウイルス薬を投与したところ、興奮は見られなくなった。治療前も治療後も、本人から疼痛の訴えはなかった。

というわけで,高齢者や精神疾患がある患者での,痛みを訴えない痛みに注意です.
私の自験例では,入院高齢患者が誘因なく夜間譫妄→心筋梗塞ということがありました.