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2019年12月30日月曜日

特発性細菌性腹膜炎で記憶すべきこと(診断,予防,ピットフォール)


前回に引き続き,SBPについてまとめます.

臨床診断(どうやって疑うか)について.
プライマリケア医として最大の関心ごとの一つです.

腹水+発熱+腹痛なら,SBPの想起は容易ですが,最も頻度の高い臨床症状である発熱であっても,出現するのは最大80%とのことです.
腹痛などの腹腔内感染の所見が全くないこともあるようです.
嘔気嘔吐,下痢,低体温,低血圧,腎機能障害,脳症などで発症することがあります.

初診の腹水貯留は必ず腹水検査を行うというのは基本的なプラクティスだとおもいます.
あわせて,既知の肝硬変,腹水がある患者で,少しでもSBPを見落とさないようにするためにどうすればいいか考えてみました.

発症の契機がわからない脳症で疑う
(以前から肝性脳症があって,排便コントロール不良で発症,とかいう状況では不要だとおもいますが,肝性脳症を起こす切っ掛けとしてSBPを鑑別に入れておく)
原因不明の腎機能障害で疑う(SBPは肝腎症候群を起こす)
低体温,低血圧で疑う(一般的な感染症診断と同様ですね)
・少しでも消化器症状があれば疑う(嘔気嘔吐,下痢など)
消化管出血があれば疑う(SBPが静脈瘤出血の原因になることもある.上部消化管出血は20%でSBPを合併する)
・突然腹水が増えたら疑う

とにかく腹腔穿刺の閾値をさげるべきですね.
いまDICをおこしているとかなければ,血小板が低くてもPTが伸びていても,比較的安全に穿刺できます.血小板輸血などは不要というコンセンサスになっています.


あわせて,予防について.
こちらもプライマリケア医として関心が高いです.

一次性SBPは,消化管出血,PPI使用,腹水中蛋白低値(∵オプソニン活性低下)などが発症リスクです.
まず,上部消化管出血後7日間は,CTRX1g q24h divを行います.
経口摂取可能ならLVFXやCPFXでもいいとあります.

その他,腹水蛋白<1.5g/dlなら1次予防の利益があるかもしれません.
SBP発症後の2次予防はベネフィットがより高そうです.
投薬するなら,ST合剤を1日1錠,またはLVFX 250mg/day or CPFX 400mg/dayです.

ただし,予防については,現状エキスパートオピニオンであるようです.
(PMID: 31304804,23463403など参照)
併存症や予後などを考えながら,その都度判断するほかなさそうですね.


2019年12月23日月曜日

特発性細菌性腹膜炎で記憶すべきこと(治療)


最近出会ったのでまとめます.
「肝硬変による腹水がある患者の発熱は,そうでないとわかるまでSBPと思え(=腹水を採取せよ)」というクリニカルパールがあります.今回もこのパールに助けられました.

肝硬変患者の発熱の25%がSBPらしいです.
そしてアルコール性肝硬変+腹水で入院中の患者の10%で発症するそうです.
アルコール性を含め,肝硬変の患者さんを診る機会が多い環境なので,今一度勉強し直します.

こういうとき,日本語の良質な二次文献がたくさんあるので,有難いです.



まず,治療についてまとめます.

一次性SBPはほとんどが単一菌種で,60%がGNR(E.Coli, Klebsiellaなど),そのほかは腸内GPC(Streptococcus, S. pneumoniae, Enterococcus)です.
後述しますがGram染色で菌体が見えないことが多いので,エンピリックにはGNR+GPCをカバーします.教科書にはCTXやCTRXが1st choiceと書いています.キノロンの選択肢も記載がありますが,今の日本の耐性菌の状況や,万一の結核性を考えると,自分は使う気にはならないです.
入院患者などではESBL産生株や緑膿菌をカバーせよとありますが,よほど疑わしい状況か状態が悪いのでなければあまりに広域なのはどうかなと思います.ESBLカバーを考えるならCMZでいいのではとも思いますが記載はないですね.ABPC/SBTなどのβラクタマーゼ阻害薬配合薬は,耐性株のS.pneumoniaeに気をつけろと書いていますが,E.Coliの耐性も心配になります.
もちろん,培養が出ればde-escalationしますが,培養陰性もそこそこある(後述)ので悩ましいです.

適切な抗菌薬を使用すれば2-3日で臨床状況に反応がみられるとあります.
最近は短い投与期間が推奨されているからか,期間は5日間という記載が目立ちます.ただ,診療状況がしっかり改善していることが前提です.致死性の経過をたどることも多い疾患なので,すっきりいかない場合は従来の10-14日間投与がよいのではと思います.
ただ,再発が多い(再発率は1年で70%!)ので,あまり長々抗菌薬を投与すると,耐性菌のリスクが上がってしまいますね.

抗菌薬治療の他には,アルブミン投与に生存率改善効果が報告されています.
全例必要というわけではないようで,血液検査で適応を判断する推奨もありますが,そこはケースバイケースで判断すればよいように思います.
あとは,もしPPIを飲んでいたらやめる,とかでしょうか.


診断,予防,ピットフォールについては次回まとめます.


2019年11月25日月曜日

レプトスピラ症による肺病変



先日,比較的若年者の肺炎→追加の情報収集で工場勤務であることが判明→ネズミとの接触あり→レプトスピラ症と判明したケースを見聞しました.

レプトスピラ症は,発熱結膜充血筋把握痛頭痛+肝障害+血小板低下+重症例で黄疸と出血(ワイル病)という組み合わせで理解していたのですが,細菌性肺炎の顔をしてやってくることがあるのかと驚いたので,調べてみました.

まずは,感染症で困った時のシュロスバーグから.
邦訳があるのはありがたい.
こういう機会にちょくちょく読むようにしていて,最終的に通読を目指しています.
現在4-5割程度の進捗です.



シュロスバーグによると,胸部X線検査の異常が20-70%でみられるようです.
肺胞や間質の出血を伴うこともあれば伴わないこともあり
下葉の肺胞の斑状陰影が特徴としてあるようです.

つづいてMandell.
3500ページある原著はもっていませんが,500ページ弱のEssential版ならなんとか自分でも使えるだろうと,Kindleに落としています.
ただ,治療について(下記の通り)などは記載がありますが,詳しい臨床像については記載がありませんでした.
やっぱり原著買わないと駄目かなぁ.


レプトスピラ症の治療は,mildならDOXY, ABPC,AMPCのどれかを経口で.moderate-severeならIVでPCG,CTRX,ABPCのどれか,とMandellにかいてあります.
ということは,十分量を使うという前提で,市中肺炎でエンピリックに使用することの多い抗菌薬で,レプトスピラがカバーされるのですね.
アンテナをしっかり張っていないと,なんかよく分からない症状がある肺炎→とりあえずCTRX使っとけ→よくなったからいいか,というケースが潜在的にありそうですね.

もちろんそれで多くの場合は良いのでしょうが,公衆衛生的観点ないし,重症化した場合の適切な対応を考えると,当然のことですが診断は確定させたいですね.
喀痰をグラム染色しても菌体は見えないし,培養でもつかまらないとなると,特異的に疑って血清学的診断にもちこむひつようがあるので,やはり病歴と臨床像が大事です.

インフルエンザ様症状に加え,結膜充血と筋圧痛があり
嘔吐,下痢,腹痛などの消化器症状もある,となると
レジオネラ肺炎やカンピロバクタ腸炎をまずは疑いますね.
胸部X線で浸潤影があれば,なおさらレジオネラ肺炎です.
そこに肝障害や意識変容が加われば,なおさらレジオネラと考えてしまいそうです.

実際には,治療薬が共通している(DOXYなど)ので,レプトスピラ症患者にレジオネラだと思って治療を行っても,それが原因で重大な帰結となる,ということはなさそうです.
結局は,結膜充血を伴う場合にはネズミの接触をしっかり聴取,ということに落ち着きそうです.

もちろん,肺炎患者全員に詳しい問診は必要だし,むしろすべての患者に詳しく問診を行え,という言説は,そりゃもっともだとはおもいます.
しかし,実際にたくさんいる肺炎患者全員にネズミの接触歴をきいているかといえば,そんなことはなくて,やはり「これはレプトスピラかも」とひっかけるトリガーが必要だと思い,ここまでつらつらと書いたのでした.


2019年10月21日月曜日

レジオネラ肺炎の臨床像の幅広さ



基本的事項ですが,研修医と一緒に学んだので.
レジオネラ肺炎の臨床所見に絞ってまとめました.

私がよく研修医指導で使うClinical Pearlに
「肺炎っぽくない肺炎はレジオネラ,腸炎っぽくない腸炎はカンピロバクタを疑え:
というのがあります.

高熱で全身ぐったり,みるからにsickな熱性疾患で,呼吸器症状がないのに浸潤影があれば,レジオネラ肺炎を疑うようにしています.


まず,NEJMのレビューから.
N Engl J Med 1997; 337:682-687にはこのようにあります.
「レジオネラ肺炎の臨床像は幅広く,軽い咳と微熱を呈するのみのこともあれば,昏睡,呼吸不全,多臓器不全にいたるものもある.初期には,発熱,全身倦怠感,筋痛,食思不振,頭痛といった非特異的な症状しか見られない.」
「消化器症状,特に下痢がめだつことがあり,20-40%でみられる.便は血性ではなく水様である.」
「比較的徐脈が診断につながる所見としてむやみに強調されすぎているが,高齢の重症肺炎でなければあまりみられるものではない」


「呼吸困難+下痢+意識障害」が重症レジオネラ肺炎の1つの典型でしょうか.
Eur J Emerg Med. 2004 ;11:225-7.
信州医誌. 2011; 59:27-31.


発熱+神経症状とくればまず髄膜炎を疑いますが,レジオネラ肺炎も鑑別に上げなくてはいけません.
Medicine (Baltimore). 1984; 63:303-10.
レジオネラ肺炎の42-52%で神経症状が出現します.
多いのは意識障害(30%)と頭痛(22-29%)ですが.
小脳失調や巣症状を呈することもあるようです.

こちらは髄膜炎様症状をきたしたレジオネラ肺炎の症例報告(日本語)
Clin Neurol 2013;53:526-530
レジオネラが髄液に侵入したわけではなく,
免疫学的機序によるものと考察されています.


レジオネラ肺炎は呼吸器症状がないこともあります.
Neth J Med. 2010 ;68:84-86.
筋痛のみで発症したケースレポートです.

J. J.A. Inf. D. 2000; 74:989-993.
発熱,横紋筋融解,急性腎不全,肝障害で発症(日本語論文です).

BMJ Case Rep. 2015;2015. pii: bcr2013201337. 
初診時に腎盂腎炎と間違えられたレジオネラ肺炎.レアですね.


これくらい押さえておけば,対応できるでしょう…たぶん
頻繁に遭遇する疾患ではないですが,かといって出会わないわけでもない疾患です.
こうやって素振りしておくことに意味があると思います.


2019年8月26日月曜日

Hoagland sign



(以下の事例は,経験を元に大幅に脚色したものです)

若い大学生.微熱があり近医を受診したところ,炎症反応上昇に加え,CK高値とミオパチーがあった.
橋本病が発覚し,ホルモン補充療法を受けたが,そのころから全身倦怠感が増悪.
微熱も続いていたが,初診から2週間後に,高熱,全身リンパ節腫大,肝障害,白血球増多が出現したため,紹介受診.

橋本病に何らかの炎症性疾患が合併したのか?
そう思って診察室に入ってきた顔を見ると…一発診断!


(画像はPMID: 24071946より引用)

どうやら,微熱がでた2週間前から,両眼瞼の浮腫も出現していた様子.
白血球分画を調べると異型リンパ球が増加しており,
ウイルス抗体価はEBV初感染パターン.

おそらく,EBV感染→初期のまだ症状が弱いときに医療機関受診
→もともとあった橋本病に気づかれる
→橋本病の治療を始めたころにEBVの症状が強くなる
→診断困難例として紹介

というストーリーだったのでしょう.

眼瞼浮腫は伝染性単核症のまれな初期症状です.(PMID:13184396)
自身の経験では,Hoagland signが診断のきっかけとなったのはこれで3例目.

EBV感染の臨床像の幅広さを,今一度認識しておきたいものです.


2017年9月11日月曜日

プロバイオティクスについて


プロバイオティクスについての総説がAFPに掲載されていました.
臨床にじかに結びつく,AFPらしい総説です.
アブストラクトと,本文中のキーポイントを訳出しました.


Probiotics for Gastrointestinal Conditions: A Summary of the Evidence
Am Fam Physician. 2017 Aug 1;96(3):170-178.

要約
プロバイオティクスは微生物で構成され,ヒトの腸に常在する善玉菌に似た細菌が大半を占める.様々な消化器疾患で幅広くプロバイオティクスの効果が研究されている.最も研究が進んでいる菌種はLactobacillus, Bifidobacterium, Saccharomycesなどである.しかし,種々の消化器症状に対し,プロバイオティクスをいつ投与すべきか,最も効果的なプロバイオティクスはなにかについて,明確なガイドラインがないために,家庭医と患者は困惑する羽目になっている.プロバイオティクスは消化管の免疫平衡の維持に対し重要な役割を果たすが,それは免疫細胞に直接作用してなされる.プロバイオティクスの効果はおそらく菌種,用量,疾患に応じて定まり,治療期間は臨床上の指標で決まる.プロバイオティクスが効果的だという質の高いエビデンスが存在するものとして,急性の感染性下痢,抗菌薬関連下痢,クロストリジウム関連下痢,肝性脳症,潰瘍性大腸炎,過敏性腸症候群,機能性胃腸障害,壊死性腸炎がある.反対に,急性膵炎とクローン病は,プロバイオティクスの効果がないというエビデンスがある.プロバイオティクスは幼児,小児,成人,高齢者と幅広い世代で安全に使用できるが,免疫不全患者には注意が必要である.


KEY RECOMMENDATIONS FOR PRACTICE
小児,成人ともに抗菌薬関連下痢のリスクを減らす.(A)
C. difficile関連下痢の発生を減らすかもしれない.(B)
肝性脳症のリスクを劇的に下げるかもしれない.しかし,NAFLDとNASHに関するエビデンスは不十分である.(B)
成人UCの寛解率を上げる.(A)
小児,成人ともにIBSの腹痛と全身症状スコアを改善させる.(B)
早期産児の壊死性腸炎の発生と死亡率を減らす.(A)
急性膵炎とクローン病に対する効果はない(B)

他に…
細菌性の急性腸炎には効果あり.ウイルス性に関してはどっちつかず.
H.pylori除菌に追加すると,NNT10で効果ありというメタアナリシスもあれば,OD=0.87-2.39というメタアナリシスもある.
慢性の特発性便秘に効果あり.


2017年5月29日月曜日

ミニレクチャー 妊婦の尿路感染症


10分で調べ5分で発表するミニレクチャー

Q. 妊婦の尿路感染症の治療戦略は?

A. BMJの10 minutes consultationでは以下の通り(BMJ 2017;357:j1777)

・妊婦は膀胱炎→腎盂腎炎のリスクが高い
・尿培養,尿グラム染色を施行
・全身状態に問題がなければ,7日間の抗菌薬投与
  1stはフラントインとあるが日本未発売

・尿培養でKlebsiellaやProteusがでたら結石合併を考慮せよ
・尿培養でGBSがでたら産婦人科紹介を:胎児産道感染のリスク

抗菌薬
15
1627
28週~
出産
授乳
ST合剤
禁忌
安全
安全
安全
短期間なら安全
CEX
安全
安全
安全
安全
安全
AMPC
安全
安全
安全
安全
安全
GM
禁忌
禁忌
禁忌
禁忌
CPFX
禁忌
禁忌
禁忌
禁忌
禁忌

・ただし,日本の添付文書ではST合剤は妊娠中,授乳中は禁忌となっている.


2016年7月12日火曜日

女性の単純性膀胱炎の治療薬



30代前半の女性が「膀胱炎だと思う」と来院→単純性膀胱炎と臨床診断→グラム陽性球菌検出
という、よくあるケースを経験しました。


起因菌の多くはE.coliですが、P.mirabilisK.pneumoniaeなど他の腸内細菌も関与します。
グラム陽性球菌がみられたら、S.saprophyticusを考えます。 性交後の膀胱炎として有名ですね。
腸球菌やB群溶連菌の関与はまれだそうです。

海外のガイドラインでは、フラントイン、ホスホマイシン、ST合剤が第一選択ですが、前2つは日本では使えません。
ST合剤は妊婦では禁忌です。
日本のガイドラインではキノロン推しですが、まあ使う気にはなれません。
結局、単純性膀胱炎なら第一世代セフェムでよいのではと思います。

この論文を見ると、第一世代セフェムはST合剤と比べ
治療成功率は同じ、再発率は有意差ないものの若干劣る
という結果ですね。


第一世代セフェム3日間→再発すれば培養してST合剤
という治療プランはどうかなと考えています。

なお、患者の「膀胱炎だと思う」は信用してよいみたいですね。
Diagnosis and Treatment of Acute Uncomplicated Cystitis


参考
UpToDate Acute uncomplicated cystitis and pyelonephritis in women
http://ameblo.jp/bfgkh628/entry-11239031852.html

2016年5月17日火曜日

旅行者下痢症について


BMJ Clinical Reviewをまとめます。
僕自身が、ほぼ必ずと言っていいくらい罹患するので、興味深い勉強になりました。

BMJ 2016;353:i1937
Travellers’ diarrhoea


これだけは押さえておく
・最も多い原因はETEC
・14日以上続く慢性の下痢は、細菌性の可能性が低い
・人工肛門や免疫抑制のある場合のみ抗菌薬予防の適応
・下痢開始時に1-3日間抗菌薬服用すると、有症状期間が3日間→1.5日間に短縮
・慢性下痢で、体重減少などの付随症状があれば、専門家に紹介を。


・危険地域は以下の通り
    超高リスク:南・東南アジア、中央アメリカ、西・北アフリカ
    高リスク:南アメリカ、東アフリカ
    中リスク:ロシア、中国、カリブ海、南アフリカ

・バックパッカーはビジネス旅行者と比べて発症率2倍
・サラダ、貝、生焼けの肉は避ける
・野菜、果物の皮はしっかり剥きましょう
・石鹸での手洗いで発症を30-40%減らすことができる

・原因がはっきり見つかることは少ない
・細菌、ウイルスのほかにも、ランブル鞭毛虫は14日以上の慢性下痢を呈する
・Cyclospora catayenisは、メキシコ帰りの旅行者下痢症として最近注目されている。

・旅行開始一週間以内(特に到着してから2-3日後)に発症
・ETEC:水様、多量、腹部疝痛・嘔気・倦怠感後
・腹部膨満、吃逆など上部消化管症状があればランブル鞭毛虫をより疑う
・排便切迫、血便、クランプなど疝痛症状があればカンピロバクターやシゲラをより疑う

・症状はたいてい1週以内に収まるが、超える場合も10%ある

・上記の通り、適応ある場合のみ予防内服
・シプロフロキサシン500mg/dayで予防率80-100%

・自己内服は以下の通り
    軽症なら、ロペラミド4mg頓用+軟便出るたびに2mgずつ内服 計16mg/dayまで
    中等度なら、南米、中央アメリカ、アフリカならシプロフロキサシン500mg2回を3日間
        南アジア、東南アジアならアジスロマイシン1gまたは500mg/dayを3日間
    高熱、重度腹痛、血便があれば病院受診を
・ただし、治療のメインは経口補液。


2016年3月23日水曜日

COPD急性増悪時の対応


以前、安定期COPDの治療についてまとめたので
教科書的な記載になりますが、急性増悪の治療もまとめてみます。
最近よく出会うのです。季節柄でしょうか。


COPDのある患者さんに、呼吸苦増悪、喀痰や咳嗽の増加、喘鳴などが出現し、
ほかの原因が考えにくいときに、急性増悪と判断します。
当たり前ですが、スパイロメトリーの結果で診断するわけではありません。あくまで臨床診断。

なので鑑別診断が重要です。
気胸、心不全、心筋虚血、肺塞栓といった鑑別が浮かんでくるかが大事そうですね。


第一選択はSABA吸入。SAMAを追加してもいいです。
多くの急性増悪患者は吸入手技がちゃんとできていないそうで。
言われてみれば、そりゃそうかもしれません。


全身ステロイド投与は入院日数短縮、肺機能、再発減少の効果があるそうで、入院患者では推奨されています。ただし死亡率低下まで強いエビデンスではないです。
コクランレビューはこちら

30mg/day程度を<7日間で投与するのがよさそうです。
コクランレビューはこちら

経口摂取ができれば第一選択はプレドニン錠です。


感染の関与が疑われるときは抗菌薬を用います。
当然ながら起因菌を同定する努力をしたうえで、エンピリックにはβラクタム+マクロライド(またはキノロン)でしょうか。
緑膿菌をカバーするかなどで変わってきますね。


SpO2は88-92%を目標に。

中等度以上の呼吸困難、急性呼吸性アシドーシス(pH<7.35またはPaCO2>45mmHg)、頻呼吸があり、気管確保の必要がなく患者さんが協力的なら、NPPVによるBi-level PAPの適応です。

はじめはIPAP 4cmH2O/ EPAP 8cmH2O程度から始めたのでよさそうです。
実際につけてみるとわかるのですが、結構大変です。圧を上げるのは慣れてから必要があればでよいと思います。
つけてみて本人の症状が改善すればOKです。
あとは、PaO2(モニターではSpO2)をみながらFiO2の値を変えます。
S/Tで設定する最低呼吸回数は10/min程度と低くします。呼吸数を早く設定してしまうと、呼気が終わる前に吸気が来てしまいます。
モニターの値はみますが、最も鋭敏かつ信頼できる指標は「本人の自覚症状」です。


挿管+人工呼吸管理に至った場合の設定について。
どうせモニター見ながら調整するので、思い切ってわかりやすい数字にしてみました。
キーワードはpermissive hypercapniaです。

まずはA/Cで。VCVなら一回換気量は6ml/kg(理想体重)程度が良いと思います。
身長170cmの男性で400ml程度ですね。

呼吸回数は10/min程度。
早すぎると呼気が終わる前に吸気がきて、肺が過膨張してしまいます。
ミストリガーの原因ともなるので、呼気で流量波形がしっかり基線まで戻っていることを確認です。
PaCO2の正常値は目指しません。pH>7.15ならばPaCO2高値は許容します。
これをpermissive hypercapniaといいます。肺損傷を防ぐためですね。

FiO2は40%程度から開始。COPD単独で重度苦の低酸素血症を招くことはありません。
PaO2をみながら、上げ下げするのが良いと思います。

吸気流量(VCV)は75L/min程度と多めに。吸気時間も短くなっていい感じです。

抜管できるかの評価は、SBTで行いますが、
COPDの場合は、抜管直後にNPPVにするのも良いとのことです。


以上、のべつまくなしに書き並べてみました。


~参考文献~
レジデントのための感染症診療マニュアル
Washington Manual
病態で考える人工呼吸管理
http://ameblo.jp/bfgkh628/entry-11369520272.html





2016年1月8日金曜日

ヘルペス性歯肉口内炎について



小児でよく見る疾患ですが、あまり理解していなかったのでまとめます。

単純ヘルペスウイルスの初感染で約5パーセントに起こります。
3〜8日の潜伏期の後、高熱とともに口腔内に小水疱が多発します。痛いです。
舌の先にできることもあります。
歯肉は発赤腫脹し、出血も見られます。
歯肉と歯の境界が赤くなるのが比較的特徴なのでしょうか。

発熱は5日間、口腔の痛みは1週間程度続きます。

6ヶ月〜5歳の小児が高熱と口腔内の痛みを訴え、ご飯が食べられないよ〜となっている場合が、疑うポイントになりそうです。
痛みが強くて発症後72〜96時間以内ならアシクロビルを使うこともあります。



(画像はUpToDateより:歯肉出血・舌先のアフタに注目ですね)

参考文献
開業医の外来小児科学
UpToDate Herpetic gingivostomatitis in young children


2015年12月14日月曜日

ニューキノロンの相互作用



尿路感染症の外来フォローなどで使う機会があります。
知っているものもあれば知らなかったものもあるので、纏めてみました。


ニューキノロン+NSAIDs:痙攣

ニューキノロン+ワーファリン:PT-INR延長

ニューキノロン+テオフィリン:テオフィリン中毒(頭痛、痙攣)

ニューキノロン+Na, Ca, Al:ニューキノロン吸収低下
市販胃腸薬に含まれていたりするので注意
Fe, Znでも吸収低下が起こりうる

ニューキノロン+アミオダロン・抗精神病薬など:QT延長


気を付けて使用しなくては。


2015年11月11日水曜日

熱性けいれん(BMJ Clinical Review)


熱性けいれんのレビューがBMJにあったので要点をまとめます。
http://www.bmj.com/content/bmj/351/bmj.h4240.full.pdf


15分以内、全身性の強直間代性発作、24時間以内の再発なし、トッド麻痺なし、異常四つを満たすと単純熱性けいれんです。安心です。そうでなければ複雑性です。

単純熱性けいれんがてんかんに移行する率は低く1/40程度。結構高いと思ってしまいますが。

抗てんかん薬予防投与のベネフィットに関するエビデンスはないです。
以下のリスク因子を持ち再発が疑われる場合は、ベンゾジアゼピンをあらかじめ処方しておくことがあります。その場合、強直間代性発作が5分以上続けば親が服用させます。
・18か月以下で初発、一親等に家族歴あり、体温39℃以下で出現、発熱から発作まで1時間以内、同一の発熱疾患のエピソードで複数回、保育所に行っている

脳炎や髄膜炎を示唆するレッドフラッグは以下の通り
・ぐずつき、食事量低下、ぐたっとしているという病歴
・複雑性の基準を満たす
・大泉門膨隆、項部硬直、羞明、神経学的巣症状がある
・痙攣後の意識変容や神経学的以上が1時間以上遷延する
・あやしてもあまり反応しないのが1時間以上遷延する
・抗菌薬の投与歴がある
・ヒブワクチン、肺炎球菌ワクチンをちゃんと接種していない
・2歳以下では、髄膜炎でも髄膜刺激症状が出ないことがままあるので、疑ったら髄液採取。

一般的には痙攣が五分以上続けばベンゾジアゼピンの投与を考慮します。
呼吸抑制の副作用がコワイですが、挿管の必要性を増やさなかったとの報告もあり、特に重積状態になれば積極的に使う必要があります。

親へのアドバイスは以下の通り
・けがを防ぐために、周りのものをどける
・体を抑える、口にモノをいれるのはダメ。
・けいれんがおさまったら気道確保と回復位を。
・けいれんが五分以上続けば救急車を。


基本的には予後良好の疾患なので、
脳炎・髄膜炎をみのがさないことと、親への教育が大事なポイントだと思います。



2015年10月22日木曜日

ニューモシスティス肺炎の予防について


HIV患者も非HIV患者も、ニューモシスティス肺炎予防の第一選択はST合剤です。
1年半の観察で、発症予防効果がRR 0.04-0.62、死亡予防効果が0.03-0.94です。
(J Hospitalist Network Clinical Question 「PCP予防」を参照。Cochrane Database Syst Rev. 2014;10:CD005590.)。

予防レジメンは、バクタ1錠/日あるいは2錠分1隔日です。(ブログ「呼吸器内科医」)


5-10mg/dayのステロイドを数年にわたり服用している方を連続して受け持つ機会があったので
ステロイドの用量との関係について調べました。

UpToDateには、予防開始の基準として
・プレドニゾン20mg/day以上を1か月以上かつ他の免疫抑制状態となる原因がある(Grade1A)
・リウマチ性疾患でプレドニゾン10mg/day以上を1か月以上かつ他の免疫抑制薬を使用(Grade2B)
とあります。

他の見解としては、20mg/day以上を2-3週以上使用する場合で推奨(Clin Microbiol Rev. 2004 17:770-82.)、16mg/day以上を8週間以上使用で推奨(N Eng J Med 2004 350:2487-98)などがあります。

10mg/day以下または累積700mg/day以下では発症率は増えない(Rev Infect Dis. 1989 11:954-63)という報告もあります。
一方、≦5mg/dayでHR 1.5-2.0、5-10mg/dayでHR 1.7-2.7、>10mg/dayでHR 1.6-3.2とする研究(Arthritis Rheum 2006 54:628-34)もあり、悩ましいです。
(参考:レジデントのための感染症診療マニュアル)

これをみると、10mg/dayのプレドニゾンを他院で10年間投与されている患者に関しては、St合剤による予防はありかなと思います。
一方、5mg/dayのプレドニゾンを1年間飲んでいる患者は、他の要因も考慮して、予防は必ずしも必要ではないかなと思います。

患者、家族とShared desicion makingをするしかないですね。


2015年9月24日木曜日

ねこひっかき病について



ねこひっかき病の患者さんがいらしたので勉強してみました。


猫による外傷部位に発赤が生じ、2週間ほどで局所のリンパ節腫脹が生じます。
主な原因菌はBartonella henselaeです。
診断は臨床的に行います。抗体検査もないことはないようですが信頼性に乏しいです。

多くは対症療法で良いそうです。自然と症状は消失します。
発熱はあるときもないときもあります。

重症例では以下のように抗菌薬を用いることもあります。
・AZM 初日500mg/day→2~5日目は250mg/day
・CAM 400mg/day 分2

局所の発赤は長いと数週間持続し、リンパ節腫脹の改善には数カ月かかることもあるため
症状がなくなるまで治療ということにはならないです。


ごくまれに、中枢神経、眼、肝臓、脾臓に感染が広がることがあります。

中枢神経系では、脳炎、脊髄炎、小脳性運動失調などが起こります。
肝脾腫を呈する場合では、末梢リンパ節腫脹は生じないため、不明熱となります。

眼病変では以下の症状が起こります。
・Parinaud眼腺症候群
 片側性肉芽腫性結膜炎+同側の著明なリンパ節腫脹

・視神経網膜炎
 急性の視力障害、視神経の浮腫、黄斑部の滲出性変化


B. henselaeは、HIV患者に感染すると、細菌性血管腫や感染性心内膜炎を生じることがあります。
USMLEの問題ではよく問われる知識ですが、やはりHIV患者が多いのでしょうか。


参考:レジデントのための感染症診療マニュアル 第3版


外傷時の破傷風予防



外傷の際には破傷風ワクチンの接種を考慮します。
細かい回数や年数までは覚えていなかったので、備忘録がてら書いておきます。


まず基礎免疫について。
DPTワクチンまたは破傷風トキソイドを3回以上摂取すると、基礎免疫が獲得できる。
その後は定期的な破傷風トキソイド接種によりブースター効果で免疫が保たれる。


【Clean wound(鋭利で清潔な刃物による切創)以外の外傷】

・基礎免疫が獲得されていない又は不明な場合
 →テタノブリン筋注に加え破傷風トキソイド3回接種

・基礎免疫が獲得されている場合
 →ブースターから5年以上経過している:破傷風トキソイド1回接種
  5年未満:必要なし


【Clean wound】破傷風予防接種の好機であるととらえる。

・基礎免疫が獲得されていない又は不明な場合
 →破傷風トキソイド3回接種

・基礎免疫が獲得されている場合
 →ブースターから10年以上経過している:破傷風トキソイド1回接種
  10年未満:必要なし


参考:ここから始めよう! みんなのワクチンプラクティス ケアネットDVD 2014


2015年9月6日日曜日

高アンモニア血症にどう気づくか



ウレアーゼ産生菌の尿路感染症による高アンモニア血症の報告を最近よく目にする気がするので、纏めてみました。


意識障害をきたす高アンモニア血症の原因としては、やはり第1に肝性脳症が挙げられます。
他には、先天性の尿路回路酵素欠損(OTC欠損症など)ウレアーゼ産生菌感染薬剤(バルブロ酸など)があります。


肝性脳症の診断にアンモニア測定は必要ありません。
血清アンモニア値は様々な要因の影響を受けるため、変動が強いためです。
あえて言うなら、正常値の2倍以上となってはじめて診断的価値があるみたいです。

基本的には臨床診断です。
文献上の肝性脳症の定義は、"the development of clinically overt neuropsychiatric symptoms in patients with cirrhosis"とあり、肝硬変患者に神経精神症状が出れば肝性脳症です。
アルゴリズムでは、MMSEで24点未満ならその時点で肝性脳症として扱うことになっています。

肝性脳症の症状は、以下の図がすごくわかりやすいので掲載します。






問題は、肝硬変のない患者の高アンモニア血症にどう気づくかです。
特にウレアーゼ産生菌の尿路感染の場合、感染症そのものでも意識障害が起こりえます。

感染症の治療をすれば当然高アンモニア血症も是正されるので
臨床上どうしても鑑別したいというものではないのかもしれませんが
やはり目の前の意識障害患者の原因が分かっているとこちらとしても気持ちが楽です。

思いつきで恐縮ですが、呼吸性アルカローシスがあるときにアンモニアを測定する、というのは銅でしょうか。

UpToDate: Urea cycle disorder: Clinical features and diagnosisには以下の記載があります。
"Hyperventilation is thought to result from cerebral edema caused by the accumulation of ammonia and other metabolites."

感染症(特に尿路感染)が疑わしくて意識障害がある場合、とくに呼吸数20/min以上の場合は
全例血液ガスをとると思いますので、あながち無理のないプラクティスかとも思います。

尿路感染症の場合は、アルカリ尿や尿中結石の存在も傍証になると考えられます。
アルカリ尿がもっともわかりやすい所見でしょう。


参考:UpToDate: Hepatic encephalopathy in adults: Clinical manifestations and diagnosis

~Clinical Pealrs~

意識障害のある尿路感染患者で、呼吸性アルカローシスまたはアルカリ尿をみたら、血清アンモニア値を調べてもいいかもしれない。

肝性脳症の診断は臨床所見に基づいて行う。


2015年8月2日日曜日

足白癬



とってもコモンな疾患です。病棟でもよく見かけます。
とはいえ、非典型的な出方をすることもあります。
足底の結節性紅斑の鑑別に上がることもあります。(South Med J. 1977 Jan;70(1):27-8.)

ネットで集めた写真をどうぞ。
(http://physio-treatment.weebly.com/foot/athletes-foot
http://healthh.com/tinea-pedis/
http://www.dermis.net/dermisroot/en/15724/image.htm
http://tundrat-zone.blogspot.jp/2010/05/fostering-patient-adherence-in.html)






急性と慢性(こちらが多い)に分かれます。
急性足白癬は、強い搔痒(時に疼痛)をともなう発赤した水疱の出現が初発症状です。
趾間や足底から生じ、足背に上がっていきます。
鑑別診断は汗疱(dyshidrosis)です。以下に写真を提示します。
(http://tundrat-zone.blogspot.jp/2010/05/fostering-patient-adherence-in.html)



慢性足白癬は、いつもよくみているアレです。
皮溝に落屑が溜まるのが特徴らしいです。
よくならない足白癬は、乾癬を疑うタイミングでもあります。


白癬が真皮にまで達すると、稀ですがMajocchi肉芽腫を形成します。
脚を剃毛する女性で起こりやすいみたいです。
健常人では局在しますが、免疫不全の患者さんだと発症、重症化のリスクが高くなります。
(UpToDate Dermatophyte (tinea) infections)



commonな疾患は、稀なPresentationも押さえておきたいですね。



2015年8月1日土曜日

リンパ節腫脹について



気付いたら週末になっている感じです。
やや総花的な記載になりますが、リンパ節腫大についてまとめてみます。

ちなみに、いまのいままで総花的を「そうかてき」と呼んでいました。
正しくは「そうばなてき」だそうです。


リンパ節腫脹について診察上重要となる項目
・腫脹リンパ節が1領域にとどまるか否か
・可動性があるか
・圧痛や自発痛があるか
・硬さはどうか

反応性リンパ節腫脹では、腫大リンパ節は軟らかく、圧痛があり、可動性良好で、原因疾患の病勢により大きさが変化するのが典型的。


頸部リンパ節腫脹で最も多いのは両側前頸部リンパ節急性腫脹
 ・細菌性咽頭炎
 ・ウイルス性咽頭炎
 ・単純ヘルペスウイルスによる歯肉口内炎、
 ・伝染性単核球症 など

後頸部リンパ節の腫脹は注意
 ・後頭部の感染
 ・伝染性単核球症
 ・結核
 ・風疹
 ・菊池病
 ・悪性腫瘍 など


隣接しない複数の領域にわたるリンパ節腫大
 ・HIV感染
 ・抗酸菌感染
 ・伝染性単核球症
 ・SLE
 ・関節リウマチ
 ・サルコイドーシス
 ・白血病
 ・リンパ腫
 ・薬剤(フェニトイン、カルバマゼピン、アロプリノール、ペニシリン、セフェム系)


リンパ節生検の必要性予測モデル:score Z(Medicine (Baltimore) 79:338-47)

本邦での研究によると、score Z(カットオフ値は1点)は、悪性疾患や肉芽腫(検証サンプルの有病率26%)とそれ以外の鑑別において、感度97%、特異度56%である(Medicine (Baltimore) 82:414-8)。

score Z=5a-5b+4c+4d+3e+2f-6
a: 40歳以上なら1点
b: 圧痛があれば1点
c: 大きさが9cm以上なら3点、4cm以上なら2点、1cm以上なら1点
d: 全身掻痒感あれば1点
e: 鎖骨上リンパ節腫脹なら1点
f: 硬ければ1点


2015年7月6日月曜日

非HIV患者のニューモシスティス肺炎の画像所見



画像読影で悩むことがあったので調べてみました。

Internal Medicine 47(10), 915-923, 2008によると、
関節リウマチ患者のニューモシスティス肺炎では
diffuse homogeneous GGO with sharp demarcation by interlobular septa (type A GGO)
diffuse, homogeneous or nonhomogeneous GGO without interlobular septal boundaries (type B GGO)
この2つのGGO(Ground Glass Opacity: すりガラス状陰影)が半数ずつ見られたということです。

HIVによるニューモシスティス肺炎ではType B GGOが多いので、
非HIVでは少し違う画像を呈するということですね。

ともなく、免疫不全状態が疑わしい人にGGOをみたら
ニューモシスティス肺炎を考えよ、ということで良いのかと思います。