気付いたら週末になっている感じです。
やや総花的な記載になりますが、リンパ節腫大についてまとめてみます。
ちなみに、いまのいままで総花的を「そうかてき」と呼んでいました。
正しくは「そうばなてき」だそうです。
リンパ節腫脹について診察上重要となる項目
・腫脹リンパ節が1領域にとどまるか否か
・可動性があるか
・圧痛や自発痛があるか
・硬さはどうか
反応性リンパ節腫脹では、腫大リンパ節は軟らかく、圧痛があり、可動性良好で、原因疾患の病勢により大きさが変化するのが典型的。
頸部リンパ節腫脹で最も多いのは両側前頸部リンパ節急性腫脹
・細菌性咽頭炎
・ウイルス性咽頭炎
・単純ヘルペスウイルスによる歯肉口内炎、
・伝染性単核球症 など
後頸部リンパ節の腫脹は注意
・後頭部の感染
・伝染性単核球症
・結核
・風疹
・菊池病
・悪性腫瘍 など
隣接しない複数の領域にわたるリンパ節腫大
・HIV感染
・抗酸菌感染
・伝染性単核球症
・SLE
・関節リウマチ
・サルコイドーシス
・白血病
・リンパ腫
・薬剤(フェニトイン、カルバマゼピン、アロプリノール、ペニシリン、セフェム系)
リンパ節生検の必要性予測モデル:score Z(Medicine (Baltimore) 79:338-47)
本邦での研究によると、score Z(カットオフ値は1点)は、悪性疾患や肉芽腫(検証サンプルの有病率26%)とそれ以外の鑑別において、感度97%、特異度56%である(Medicine (Baltimore) 82:414-8)。
score Z=5a-5b+4c+4d+3e+2f-6
a: 40歳以上なら1点
b: 圧痛があれば1点
c: 大きさが9cm以上なら3点、4cm以上なら2点、1cm以上なら1点
d: 全身掻痒感あれば1点
e: 鎖骨上リンパ節腫脹なら1点
f: 硬ければ1点