Smolen JS, Kerschbaumer A, Aletaha D, Robinson WH. Rheumatoid Arthritis in Adults: A Review. JAMA. 2026 Sep 10. doi: 10.1001/jama.2026.15455.
重要性
関節リウマチ(RA)は、軟骨および隣接する骨に炎症と破壊を引き起こす慢性自己免疫疾患であり、不可逆的な身体障害につながる可能性がある。関節リウマチは世界の成人の0.53%、米国成人の0.74%にみられる。
観察
関節リウマチは男性より女性に多く、男女比は約2:1であり、発症のピークは55~75歳である。RAはすべての滑膜関節に生じる可能性があり、関節外病変としてリウマチ結節、血管炎、リウマチ肺疾患などを認めることがある。
診断時には、約40~60%の患者で自己抗体(リウマトイド因子および/または抗シトルリン化ペプチド抗体)が認められる。RAには正式な診断基準は存在せず、臨床経過、近位指節間関節・中手指節関節・手関節などの特徴的な関節腫脹、自己抗体の存在、C反応性蛋白(CRP)上昇などをもとに診断する。
早期診断、理想的には症状発現から6週間以内に診断することで、疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD)による治療を速やかに開始でき、炎症を抑制して関節破壊のリスクを低下させることができる。
治療目標は、3か月までに疾患活動性を少なくとも50%改善させ、6か月までに寛解または低疾患活動性を達成することであり、Clinical Disease Activity Index(CDAI)などの妥当性が確認された指標を用いて評価する。
European Alliance of Associations for Rheumatology(EULAR)は、メトトレキサートを開始し、7.5~10 mg/週から4~8週間かけて20~25 mg/週まで増量することを推奨している。また、短期間の糖質コルチコイド(例:プレドニゾン5~7.5 mg/日)を追加し、3か月以内に漸減・中止すること、あるいはデポ型メチルプレドニゾロン80~160 mgの筋肉内投与を検討することを推奨している。
メトトレキサートが禁忌の場合には、スルファサラジン(2~4 g/日)またはレフルノミド(20 mg/日)が推奨される。
治療により、新たに診断されたRA患者の約40%が6か月以内にCDAI寛解を達成する。初回DMARD治療で寛解に至らない患者には、生物学的DMARD(腫瘍壊死因子α阻害薬、共刺激阻害薬、インターロイキン6受容体阻害薬、B細胞を標的とする抗CD20薬など)、または血栓塞栓症、心血管疾患、悪性腫瘍のリスクが高くない患者ではJAK阻害薬を追加する。これにより、寛解または低疾患活動性を達成する患者の割合は全体で約80%まで上昇する。
結論と関連性
関節リウマチは関節破壊を引き起こす慢性自己免疫疾患である。初期治療の第一選択薬はメトトレキサートであり、糖質コルチコイドの追加を検討する。初期治療で寛解に至らない患者では、生物学的DMARDまたはJAK阻害薬を追加することで、寛解または低疾患活動性を達成する割合は約80%に上昇する。
感想
つい最近、抗体陰性だけどどう考えてもRAという方を専門家に紹介しました。やはりRAとして治療が開始されていました。
RAでは自己抗体が存在する患者は約40~60%で、CRP陰性でも否定できないとのことで、このレビューでは、特定の検査に依存せず臨床的に炎症性関節炎を捉えなさいと主張しています。
専門家はエコーをよく使っていますよね。初期病変の描出に優れており、多疾患との鑑別にも有用だと理解していますが、本レビューでもEULARでも、エコーでの異常所見は必須ではなく、あくまで臨床判断だということになっています。とはいえ、エコーは診断だけでなくマネジメントにも有用であるとのことです。http://www.elsevier.es/en/linksolver/pdf/pii/S1699-258X(16)30106-1
MTXがキードラッグなのは言うまでもなく、
MTXが使えない(禁忌・早期忍容性不良)ならスルファサラジンorレフルノミド
MTXは使えるが治療目標未達ならbiologic DMARDまたはJAK inhibitorを追加
という整理がなされています。
日本リウマチ学会の診療ガイドラインhttps://academic.oup.com/mr/article/29/1/31/6299805?utm_source=chatgpt.com&login=false によると、妊娠、MTX過敏症、重症感染症、重度の血液・肝・腎・呼吸器障害などが禁忌で、さらに日本人の多くは16mg/wに耐えられないとのことです。
私の診療圏だと、近くにリウマチセンターがあるので、疑えば紹介、少なくとも治療の導入はお願いする、というのが多いです。
一方、特にADLの低下した高齢者や在宅患者で、移動の制限等で紹介できず自分で治療を開始せざるを得ない場合があり、必然的に複雑事例のマネジメントを行わなくてはならないということがあります。close follow-upで少量ずつ薬を試すしかないですし、一般的なケースとは治療による達成目標が変わる点を注意しています。