2016年7月12日火曜日
女性の単純性膀胱炎の治療薬
30代前半の女性が「膀胱炎だと思う」と来院→単純性膀胱炎と臨床診断→グラム陽性球菌検出
という、よくあるケースを経験しました。
起因菌の多くはE.coliですが、P.mirabilisやK.pneumoniaeなど他の腸内細菌も関与します。
グラム陽性球菌がみられたら、S.saprophyticusを考えます。 性交後の膀胱炎として有名ですね。
腸球菌やB群溶連菌の関与はまれだそうです。
海外のガイドラインでは、フラントイン、ホスホマイシン、ST合剤が第一選択ですが、前2つは日本では使えません。
ST合剤は妊婦では禁忌です。
日本のガイドラインではキノロン推しですが、まあ使う気にはなれません。
結局、単純性膀胱炎なら第一世代セフェムでよいのではと思います。
この論文を見ると、第一世代セフェムはST合剤と比べ
治療成功率は同じ、再発率は有意差ないものの若干劣る
という結果ですね。
第一世代セフェム3日間→再発すれば培養してST合剤
という治療プランはどうかなと考えています。
なお、患者の「膀胱炎だと思う」は信用してよいみたいですね。
Diagnosis and Treatment of Acute Uncomplicated Cystitis
参考
UpToDate Acute uncomplicated cystitis and pyelonephritis in women
http://ameblo.jp/bfgkh628/entry-11239031852.html