Maharajan V, Jones NR, Bankhead C, Erone I, Haynes S, Katumba AM, et al. Iron deficiency testing among people with incident heart failure in primary care. BJGP Open. 2026 Jul 31. doi:10.3399/BJGPO.2026.0086.https://bjgpopen.org/content/early/2026/07/31/BJGPO.2026.0086
背景
心不全患者のおよそ50%には何らかの鉄欠乏が認められるため、各種ガイドラインでは鉄欠乏のスクリーニングが推奨されている。しかし、プライマリ・ケアにおいて実際にどの程度検査が行われているのか、また検査が公平に実施されているのかは明らかではない。
目的
新たに心不全と診断された患者のうち、診断後12か月以内にフェリチン検査を受けた患者の割合を明らかにすること。
研究デザイン・セッティング
2016~2021年のClinical Practice Research Datalink(CPRD)Aurumのデータを用いた、プライマリ・ケアにおける後ろ向きコホート研究。
方法
新たに心不全と診断された成人患者について、診断後12か月以内にフェリチン検査を受けた割合を算出した。さらに、多変量ロジスティック回帰分析を用いて、主要な人口統計学的因子および併存疾患による検査実施オッズの違いを検討した。
結果
新たに心不全と診断された105,749人(平均年齢71.6歳、SD 14.3)のうち、診断後1年以内にフェリチン検査を受けたのは35,688人(33.7%)にとどまった。
検査を受けるオッズは、年齢が高いほど高く、10歳年齢が上がるごとにOR 1.25(95% CI 1.24–1.27)であった。また、女性でも検査を受ける可能性が高く、男性のORは0.86(95% CI 0.84–0.89)であった。さらに、アジア系の患者では検査を受けるオッズが高かった(OR 1.70、95% CI 1.59–1.80)。
併存疾患では、セリアック病(OR 1.86、95% CI 1.58–2.21)、1型糖尿病(OR 1.82、95% CI 1.51–2.19)、肝硬変(OR 1.64、95% CI 1.43–1.87)が、フェリチン検査を受けることと関連していた。
また、患者背景を調整した後も、地域によって検査実施率に差が認められた。
結論
大規模なプライマリ・ケアデータベースを用いた本研究では、新たに心不全と診断された患者の約3分の2が、診断後1年以内に鉄欠乏を評価するためのフェリチン検査を受けていなかった。これは現在の診療における明らかなギャップを示しており、鉄欠乏の検査をプライマリ・ケアでより適切に実施するための診療体制改善の機会があることを示唆している。
感想
まずい、心不全管理でフェリチンを測定するという意識はありませんでした。今後気を付けようと思います。