2014年12月29日月曜日
無症候性蛋白尿/透析受容/Reticulocyte Index/オタワCTルール
先日参加したカンファランスで話題になった事項を纏めます。
・成人の無症候性蛋白尿のアプローチ
透析導入時の患者・家族の受容や、紹介元が果たすべき役割についての議論がありました。
議論したケースの患者さん(80歳代)は、20歳代で蛋白尿のみを指摘されていました。
おそらく今回の透析導入とは関係ありませんが、無症候性蛋白尿の鑑別について調べてみました。
いつものようにUpToDateを。proteinuriaで検索し以下の記事を見つけました。
Assessment of urinary protein excretion and evaluation of isolated non-nephrotic proteinuria in adults
蛋白尿があって、尿沈渣(血尿など)に異常がなく、GFR低下がなく、高血圧や糖尿病もない場合を、isolated proteinuriaというとのことです。
蛋白排出は3.5g/day以下で、低アルブミンがなく、浮腫などの症状がないのが特徴です。
isolated proteinuriaをみたら、まず一過性蛋白尿でないかを確認します。
発熱や運動などで惹起されることが多く、多くは尿蛋白1g/day以下です。
18歳以下の蛋白尿の8-12%を占めるそうです。
次に起立性蛋白尿を鑑別します。
大事なのは、30歳以上では稀であること、仰臥位で尿蛋白が正常になることです。
立位より臥位で尿蛋白が減るのは当たり前だそうです。
この2つでない、つまり生理的でない蛋白尿のアルゴリズムは以下の通りです。
尿蛋白が3mg/day以上、またはアルブミンが大部分を占める場合は、糸球体性蛋白尿を考え腎生検を行います。
尿蛋白3mg/day以下でアルブミンの割合が小さいなら、骨髄腫を考えて、モノクローナル軽鎖を測定します。
それでもなければ、尿細管障害(薬剤、自己免疫など)を考えます。β2ミクロアルブミンなど低分子蛋白を測定します。
腎後性蛋白尿、つまりUTI、結石、腫瘍でも蛋白尿が起こるので注意です。1g/day以下が多いみたいです。
あとは、溶血や横紋筋融解症も蛋白尿をきたします。
・透析導入の受容過程
ディスカッションでは、紹介元医師による透析の説明の有無や、家族の支援、本人の病状の理解などが大事なのではとなりました。
透析施設=墓場みたいなイメージを持つ患者さんもいるらしく、事前にビデオを見せたり見学をしてもらったりしているみたいです。
私は、週3回の通院の負担を考え、タクシー代などの通院費や、施設へのアクセス、家族の協力が需要に関係するのではという意見を述べました。
私は研修を行う病院のある自治体では、障害者手帳でタクシー運賃の割引があるそうですが、詳しい数字は福祉課そなえつけのしおりにしか載っていないらしく、調べられませんでした。
透析需要に影響を与える要因について質的に分析した看護論文(J. Jpn. Acad. Nurs. Sci. 23; 1-13, 2003)によると、「ス トレスの認知状態」「友人の手段的支援」「年齢」「精神健康状態」「導入時 どの程度納得していたか」が心理的適応に影響しており、ストレスの積極的な介入と透析に至る前の患者教育が重要であると結論しています。
また、糖尿病性腎症による透析導入の患者では、視力障害などで就業率や社会参加が低いという患者背景があり、障害を負い目と感じ、その障害と対峙できないことが、自尊心の低下をもたらすという研究もありました。(J. Jpn. Acad. Nurs. Sci. 34; 31-38, 2011)
・貧血における網赤血球の評価
貧血では網赤血球の増減が大事だけど、Retの数値をみるだけでは騙されるよという話でした。
RI(Reticulocyte Index)を計算して、2以上なら溶血性貧血を考えます。
上表は週刊医学界新聞のこの記事より引用しました。
・頭痛を訴える救急患者にCTを撮るべきか
作業服を着た30歳男性が、頭痛を訴えて救急受診というケースでした。
続発性を除外しないと、工場勤務だから中毒か…ということでCT撮影までしましたが
実際は作業着来てるけど仕事は事務、ブラック企業で睡眠時間も3時間程度で、診断は緊張性頭痛でした。
頭痛患者のCT撮影については
JAMAで2013年にpublishされた以下の論文があります。
Clinical decision rules to rule out subarachnoid hemorrhage for acute headache.
カナダで3次救急を受診した頭痛患者(ピークが1時間以内、神経学的所見なし)2131人を対象に
SAHがあった群(6.2%)とそうでない群を比較して、decision ruleを作成したものです。
作成されたオタワSAHルールは以下の通り。
これで感度100%(98.6-100%)、特異度17.8%(16.6-19.1%)です。
…そりゃそうだろっていう感じですかね。
病歴聴取でこのあたりを落とさないようにするのが大事ということでしょうか。
でもこれだと、40歳以上の患者は全例ひっかかりますよね。
2014年12月25日木曜日
解説篇:NEJM Case40-2014
問題篇がまだの方は、先にこちらを読んでくださいね。
Case 40-2014
A 57-Year-Old Man with Inguinal Pain, Lymphadenopathy, and HIV Infection
AIDS患者の、左鼠蹊部付近優位のリンパ節腫大の鑑別となります。
比較的大きく、圧痛があり、壊死を伴っています。
リンパ節腫大の局在があるので、感染症をまず考えたいです。
内部壊死ですぐに連想するのは結核です。
ネコ飼育歴+免疫不全は、Bartonella henselaeによるBacillary angiomatosisを思い浮かべますが、臨床像が違う気がします。
免疫不全患者のHHV8感染といえば、カポシ肉腫とmulticentric Castleman's disease、primary effusion lymphomaです。
multicentric Castleman's diseaseはリンパ節の腫大が主徴候ですが、その名の通り全身のリンパ節が腫れると思います。あまり詳しく知らないので何とも言えません。
primary effusion lymphomaは胸水ADA高値なので結核性胸膜炎と誤診されやすいんでしたっけ。今回の症例には合いません。
他にもリンパ節腫大を起こす病原体はたくさんあると思いますが
気になるのは侵入経路が不明であること。
ヘルニア門から侵入とかあり得るのでしょうか?もしくは陰部から?
感染症以外だと、「夜間発汗を伴う間欠的な発熱」というキーワードは悪性リンパ腫を思い起こします。
ただ局在は説明できるのでしょうか。
サルコイドーシスは…こんな経過にはならないよなぁ。
以前、大学の課題でリンパ節腫大についてまとめたことがあったので
ここで見返してみました。
この表だと、結核とリンパ腫以外にそれっぽい疾患はないですね。
と、ここまで考えたうえでケースの続きを読みました。
…おお、答えは梅毒による壊死性リンパ節炎でしたね。
シマウマに走ってしまいました。反省です。
ですが、鑑別診断の議論で
The necrosis in the affected nodes brings mycobacterial infection to the top of the list of possibilities. However, other infectious processes, including cat scratch disease, are also associated with enlarged, necrotic lymph nodes.
とあり、自分も捨てたものではないなとうれしくなりました。
なお、multiple Castleman's diseaseは高熱などの全身症状が出るのが特徴らしいです。
…骨盤部腫瘍の転移は考えていませんでした。まだまだですね。
梅毒はありとあらゆる病像を呈することで有名ですが、
リンパ節炎を起こすことは知りませんでした。
本文中には
Syphilitic lymphadenitis, although uncommon, may be manifested as painful inguinal masses and may simulate an inflammatory pseudotumor, features that are similar to those seen in this case.
とあり、そのまま疾患スクリプトとして覚えておく必要がありそうです。
実際には、ルーチーンで梅毒検査はするでしょうから
いずれにせよそこで判明するのでしょうね。
身も蓋もない意見ですが。
リンパ節の局在から感染症を疑ったところまでは良かったのでしょうが
侵入経路についての考察をもっとしておけば
何らかのSTIによるもの、という所までは行けた気がします。
~Clinical Pearl~
リンパ節腫大では、リンパの流れを意識する!
梅毒は鼠蹊部のinflammatory pseudotumorを起こしうる!
問題篇:NEJM Case40-2014
今週のNEJM Case Records of the Massachusetts General Hospitalです。
解説は次の記事を見てくださいね。
かいつまんでまとめてあります。全文を読みたい方はこちらへ。
Case 40-2014
A 57-Year-Old Man with Inguinal Pain, Lymphadenopathy, and HIV Infection
【患者】HIVに感染している57歳男性
【主訴】左鼠蹊部痛
【現病歴】
10年前から左>右の鼠径ヘルニアあり、時々膨隆するも還納容易。
3か月前より、膨隆を伴う痛みが増強。
3週間前より、左側のヘルニアが大きくなり、夜間発汗を伴う間欠的な発熱を自覚
1週間前より、ヘルニアの近くに圧痛のある「硬い塊」を自覚
前日夜、口腔内体温38.1℃
当日朝、救急受診
受診時の所見
陽性:鼠蹊部痛(スケール3/10)、
陰性:悪寒、嘔気、嘔吐、腹痛
【既往歴】
8年前:HIV感染と診断、ART開始。2カ月前の検査で、HIVRNA検出限界以下、CD4+リンパ球250/mm3
8年前:カポシ肉腫(左大腿と口蓋)、ブレオマイシンで治療
他に、伝染性軟属腫、anal dysplasia(HPV感染による、anal wartsより進行)、肺MAC症(9年前に診断され、18か月の治療を受けた)、ニューモシスティス肺炎、鵞口瘡、眼窩隔膜前蜂巣炎、クリプトスポリジウムによる下痢の既往あり
3年前に一過性の肝酵素上昇あり(脂肪肝化アルコール性肝障害によると思われる)
HIV診断後すぐの検査でトキソプラズマIgG抗体(-)、8年前と5年前の検査でRPR(-)、他のSTIの既往なし
【薬剤】emtricitabine, tenofovir, rilpivirine
【アレルギー】ST合剤で溶血性貧血
【社会歴】異性愛者。離婚後、いまはHIV(+)でART服薬中の女性パートナーと同居。直近の性交歴はそのパートナーと2年前でコンドーム着用だった。喫煙30年間、アルコール毎日1-2本、違法薬物なし。製造工場で勤務。22歳の猫の世話をしているが最近噛まれたり引っ掻かれたりはない。6か月前にオクラホマから移住。白人ヨーロッパの血筋。
【家族歴】父親:冠動脈疾患 母親:線維筋痛症
【身体所見】
体温36.8℃、血圧155/79mmHg、脈拍82bpm、呼吸数18/min、SpO2 100%(r/a)
腹部平坦で圧痛や膨満はなし。左>右の鼠径ヘルニアあり、還納容易。鼠径管に一致してわずかに圧痛あり。左鼠径に3つ、大きく(最大径3cm)軽度圧痛あるリンパ節腫大あり。
【検査】
血液検査は以下の通り。
CTで左総腸骨、左外腸骨、左鼠径領域に多数のリンパ節腫大あり。壊死と考えられる低信号領域もある。傍大動脈、右鼠径領域にも小さいリンパ節腫大がある。
肝腫大(22cm)あり、下端は腸骨稜に達する。脾臓12.8cmとやや大きい。非閉塞性腎結石あり。
さて、あなたの診断は?
麻痺性イレウスの原因
友人の研修医の方が
未治療の糖尿病があり麻痺性イレウスで入院となった
患者さんを受け持っているとのことで
麻痺性イレウスについて調べてみました。
なかなか良い記事や論文が見つからず
どうしてだろうと思っていたのですが
どうやら日本語と英語では用語の使い方が違うようですね。
単にileusといえば、機能性イレウス、特に麻痺性イレウスのことを指すらしいです。
機械性イレウスはmechanical obstructionと表現するみたいです。
麻痺性イレウスのことについて調べるときは
ileus, pseudo-obstruction, Ogilvie's syndrome
などの用語で検索するといろいろ出てくることが分かりました。
Ogilvie's syndromeは見慣れない用語ですが
UpToDateのAcute colonic pseudo-obstruction (Ogilvie's syndrome)には
急性の結腸拡張の原因として
・Toxic megacolon(炎症性腸疾患、CD関連)
・Mechanical obstruction
・Acute colonic pseudo-obstrustion
とあります。
Ogilvie's syndromeはacute colonic pseudo-obstructionと同義とのことです。
麻痺性イレウスの原因は多岐にわたります。
DynamedのColonic ileusによると以下の通りです。
【薬剤】
オピオイド、Caブロッカー、抗うつ薬、フェノチアジン(抗精神病薬クロルプロマジンなど)、抗パーキンソン病薬、クロニジン、テオフィリン、バクロフェン、化学(放射線)療法、ステロイド、αグルコシダーゼ阻害薬
【外傷】
骨盤外傷、頬部外傷、脊髄外傷、長管骨骨折
【腫瘍】
血液学的悪性腫瘍(白血病など)、後腹膜腫瘍、骨盤放射線療法、傍腫瘍症候群(胸腺腫、小細胞癌など)、多発性骨髄腫
【膠原病】
強皮症、SLE、血管炎
【手術後】
【感染症】
急性胆嚢炎、髄膜炎、骨盤膿瘍、帯状疱疹、肺炎、CMV感染、敗血症、川崎病、デング熱
【神経疾患】
パーキンソン病、アルツハイマー病、多発性硬化症、下部脊髄障害、ギランバレー症候群、髄膜炎、糖尿病性末梢神経障害、神経線維腫症、家族性血管ニューロパチー、脳梗塞
【代謝疾患】
電解質異常(低K、低Ca、低Mg)、腎障害、肝障害、糖尿病、アルコール乱用
【心血管】
AMI、CHF、脳卒中
【それ以外】
人工呼吸、呼吸器疾患、急性膵炎、後腹膜血腫、妊娠、腎移植、中毒、甲状腺機能低下症、周期性四肢麻痺、下垂体機能低下症、鎌状赤血球症、大腸内視鏡後、家族性内臓ミオパチー
あまりに煩雑なので、UpToDateの表も参考にまとめてみました。
outside the box(腹部症状を考えるときは腹部以外の原因から)を意識してみました。
○医原性
・薬剤性
・手術や内視鏡の後、特に脊椎麻酔施行時
○全身疾患
・強いストレス(肺炎、AMI、脳卒中など)
・電解質異常、甲状腺低下
・膠原病
○消化管に向かう神経、血管の障害
・神経障害(脊髄障害、末梢神経障害、自律神経障害、DM含む)
・血行障害
○腹腔内、後腹腔
・腹部の炎症
・腹部内占拠病変
糖尿病と麻痺性イレウスの関連について
麻痺性イレウスを呈する糖尿病患者の割合や
麻痺性イレウスを起こすリスク因子を知りたかったのですが
PubmedとGoogle scholarを調べても論文が見つからず
いまのところ未解決です。
UpToDateのDiabetic autonomic neuropathy of the gastrointestinal tractには
Esophageal involvement(糖尿病患者ではGERDが多い)
Gastroparesis(胃の蠕動運動が低下する)
Diabetic enteropathy(糖尿病患者では下痢が多い)
の項目がありましたが、麻痺性イレウスについての言及はありませんでした。
2014年12月23日火曜日
急性心膜炎(NEJM Clinical Practice)
移動時間で、今週のNEJMのClinical Practiceを読んだので
忘れないうちに要点をまとめておきます。
本文を読みたい方はこちら。
Acute Pericarditis
Martin M. LeWinter, M.D.
N Engl J Med 2014; 371:2410-2416
先進国では80-90%が特発性(ウイルスが原因と思われる)
続発性の殆どは心障害後症候群、膠原病(特にSLE)、悪性腫瘍によるもの
心筋炎を繰り返す稀な遺伝疾患として、tumor necrosis factor receptor-associated periodic syndrome(TRAPS)と家族性地中海熱がある
心筋梗塞後に心膜炎を起こすことは少なくなったが、時に無症状の心筋梗塞に続発したと判明することがある
救急で非虚血性胸痛の5%を占める
大規模コホートによると、男性に多く(年齢調整尤度比1.85(1.65-2.06))、入院中の死亡率は1.1%(0.6-1.8%)
1/3が心筋炎を併発。その場合も長期予後は良い(excellent)
左室不全、心不全、不整脈はあまり起こさない
2/3で心嚢水貯留。ほとんどは少量で問題にならない
エコーで厚さ20mm以上の大量心嚢水は3%でみられる。
心嚢水のある心膜炎では、心タンポナーゼや収縮性心膜炎に注意
大量心嚢水、心タンポナーゼ、収縮性心膜炎は続発性で多い
70-90%でself-limited。初期治療に迅速に反応する
全体の10-30%は初期治療で良くなった後に再発する
再発の多くは1、2回だが、全体の5%以下で再発を繰り返す
心膜炎の診断は次のうち2つ以上を満たせばOK
・心膜炎と矛盾しない胸痛
・心膜摩擦音
・典型的な心電図変化
・ある程度以上の心嚢水貯留
前かがみで良くなり、僧帽筋縁に放散する胸痛は心膜炎っぽい
多くで感冒用症状が先行し、突然発症も少なくない
何回も聴診して心電図をとるのが大事
急激に貯留が進めば、X線で心シルエットが拡大していなくても心タンポナーゼが起こりうる
ST変化が一部の電極だけで心筋梗塞と紛らわしいことがある
PR低下だけが唯一の心電図所見のこともある
心膜炎の胸痛と紛らわしい他の疾患は以下の通り
・胸膜炎(1/3で心膜炎と併発)
・肋軟骨炎
・GERD
・肺塞栓症
・水疱出現前の帯状疱疹
診断基準を満たせば、次に続発性か否かを判断する
上記以外では血算(分画含む)、CRP、トロポニン、クレアチニンを測定して、胸部X線を撮るべき
若い女性または身体所見上疑わしいときは膠原病の血清検査をする
38℃以上、WBC13,000以上、他に細菌感染の徴候があるときは血培をする
(洞性頻脈と軽度発熱、WBC軽度上昇はよくみられる)
貧血があれば膠原病や悪性腫瘍などによる続発性を疑う
CRPは75%で上昇し、1、2週で元に戻る
心膜炎が疑わしいが基準を満たさないときは、心MRIやCTが使えるかも
胸痛の他の原因を除外したら、診断的治療をしてもよい
特に合併症のない心膜炎の初期治療は、NSAIDsとコルヒチン
コルヒチンを併用すると、再発予防と有症状期間短縮になる
NSAIDsは1-2週続け、CRPをみながら徐々に減らしていくのがいいかもしれない
NSAIDsの最適な種類と投与期間についてのRCTはまだ行われていない
低リスク患者(亜急性の経過で、発熱、免疫抑制、外傷、心筋炎、大量の心嚢水、心タンポナーゼがなく、抗凝固療法を受けていない)は全体の85%を占め、外来でも安全にマネージメントできる。入院になったのは13%で主要な合併症はなかった。
初期治療に反応しない場合、続発性の可能性が高い
副作用が許容できるならNSAIDsを続け、ステロイド投与を検討する
ステロイドを投与すると症状改善が多くなるが再発も多くなる
再発を繰り返す場合も、発作時はNSAIDs+コルヒチン
効果が乏しい場合、ステロイドや免疫調整薬を用いることもある。心膜切開の効果は一定しない
再発を繰り返す心膜炎の機序は不明である。ただ、基礎疾患がなければ重篤な合併症を起こすことは少ない
2014年12月21日日曜日
薬の名前が入ったボールペンを使わない理由
あくまで個人的な意見ですが
医療者が製薬会社から接待を受けるのは
非常に見苦しいし不快である
と考えています。
薬剤の販促や医療者のプロフェッショナリズムに関する
種々の議論に関しては
週刊医学界新聞のこの連載が非常に勉強になります。
医療者の投薬行動がどれだけ影響を受けるのか
きっちり分析している論文がこんなにあるのかと驚きました。
“Culture of Entitlement”仮説ということばを初めて知りました。
「頑張って医者になったんだからこれくらい良いよね」仮説といったところでしょうか。
発想が官僚の天下りと似てますよね。
この座談会の記事もとても面白いです。
私のように極端な意見を押し付けることなく
理知的な議論がされているので、ぜひご一読ください。
以下は、私の個人的な意見です。
私は現在、企業や薬剤の名前の入った物品は
ボールペン1本、メモ1枚たりとも持っておりません。
2013年12月以降
薬説(製薬会社が行う薬の説明会)で出されるお弁当は勿論ですが
学会のランチョンセミナー
製薬会社が医局に持ってきたお菓子
製薬会社が後援する研究会で出される飲食物
ペットボトルのお茶1本に至るまで
(学会費や参加費で賄われていると確認できるものは除く)
手を付けておりません。
タクシー券はごみ箱に捨てました。
恥ずかしながら白状いたしますと
2013年12月以前は、何の考えもなしに
薬説の弁当を食べたこともありました。
しかし、2013年1月にpublishされたBMJの論文
Medical school gift restriction policies and physician prescribing of newly marketed psychotropic medications: difference-in-differences analysis
を読んで
学生時代に便宜を受けると医師になってからの投薬行動に影響がでる
という内容に愕然とし
自らの不勉強と甘さを恥じました。
これほど脇が甘く
医学について不十分な知識しか持たず
正確に物事を判断できず
薬剤の効果をきちんと判断する頭のない私が成しうる
唯一の防衛策は
このような便宜供与を一切受けない以外にない、と思い至り
現実的に一切影響を受けないということは不可能ですが
できる限るのことはしようと
上記のような行動をするに至っております。
やってみると、非常に気持ちのいいものです。
モヤモヤしながら弁当食べるより絶対健康にいいです。
ひとつ注意しなければならないのは
自分が様々なバイアスから完全に自由である
と思いあがる危険性をはらんでいることです。
長々書きましたが、別に偉そうに書くようなことではないですね。
とっても当たり前のことで、なんだか恥ずかしくなりました。
私の意見を押し付けるつもりは毛頭ございませんが
私の駄文を含めて、読んだ方の考える機会になっていただければと思います。
NEJM Case 39-2014 / BMJクリスマス号
今週のNEJM Case recordは
クローン病患者の肺結節影についてでした。
本文はこちらを。
Case 39-2014
A 9-Year-Old Girl with Crohn’s Disease and Pulmonary Nodules
いつもみたいに頑張って診断を考えて…というケースではなかったです。
診断であった肺クローン病は知りませんでした。
肺実質に血管炎による結節ができるみたいです。
こういうマニアックな疾患の勉強は、今はまだいいかな…
もうBMJクリスマス号のシーズンなのですね。
毎年のことながらウィットに富んでいます。
テレビの医療番組の半分は嘘っぱち(だいぶ荒い表現です)という記事もありましたね。
ちょっと違いますが、空間除菌のCM、あれは何とかならないのでしょうか。
私が知ったのは2年前でした。
便を犬に嗅がせることでCD関連腸炎を検査するという内容でした。
BMJの公式サイトはこちら。
南郷栄秀先生がアブストラクトを訳してくれています。ありがたいです。
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