Barbara G, et al. Bile acid diarrhea in patients with chronic diarrhea: current appraisal and recommendations for clinical practice. Dig Liver Dis. 2025;57(3):680-687. doi:10.1016/j.dld.2024.12.019.
Bile acid diarrhea(BAD)知らなかったのでまとめます。
CMAJのこの記事を読んだのがきっかけです。
胆汁酸の吸収・代謝の異常により大腸に過剰な胆汁酸が流入し、下痢を引き起こす病態。
過敏性腸症候群・下痢型(IBS-D)や機能性下痢と判断されている患者の中にも、BADが隠れている可能性がある。
4週間以上続く慢性下痢で、特に以下の背景がある場合はBADを考慮せよ。
- 回腸末端切除の既往
- 胆嚢摘出術後
- 腹部への放射線治療歴
検査はいろいろあるが、現在臨床で使用可能なものはない。
中心となる治療は、胆汁酸吸着薬(bile acid sequestrants:BAS)であり、コレスチラミンが第一選択とあるが、日本では下痢に対する適応はない。抗リウマチ薬レフルノミドを体内から除去する薬でもあり、大事に使うべき薬剤とのこと(日本動脈硬化学会より)
第二選択のコレセベラムは日本では上市されていない。
まとめると…
慢性下痢を診療する際に、安易にIBS-Dとするのではなく、治療可能な原因の一つである胆汁酸性下痢を意識せよ、特に胆嚢摘出後や回腸切除後の慢性下痢では、BADを見逃すな。
ただ、治療薬で入手可能なものはない。コレスチラミンの適応外投与しか方法はなさそう。診断的治療も出来ないのでは困ったなぁ。