2026年10月22日木曜日

社会的処方は必要な人に届き、時間経過とともに効果が表れる

 Calderón-Larrañaga S, Meza-Torres B, de Lusignan S, et al. Equity and impact of social prescribing in type 2 diabetes prevention: cross-sectional and cohort study using national primary care data. Br J Gen Pract. 2026 Oct 19. doi:10.3399/BJGP.2025.0748.


背景: 社会的処方は、長期的な健康問題の予防・管理を支援するため、2019年以降、英国のプライマリ・ケアで急速に普及している。しかし、2型糖尿病予防における利用機会の公平性や有効性に関するエビデンスは限られている。


目的: 2型糖尿病の発症リスクが高い成人を対象に、社会的処方の到達範囲、利用機会の公平性、および2型糖尿病予防への潜在的な影響を検討すること。


研究デザイン・設定: イングランドの1,800か所以上の家庭医療診療所を含む Oxford-RCGP Research and Surveillance Centre の日常診療データを用いた観察研究。対象期間は2019年1月から2023年11月。


方法: 横断解析では、多変量ロジスティック回帰を用いて、2型糖尿病の発症リスクが高い成人における社会的処方への紹介と関連する要因を検討した。コホート解析では、ベースラインの共変量を調整し、紹介と新規の2型糖尿病発症との関連を推定した。サービスの導入拡大やCOVID-19による変化を考慮するため、暦年別のCox比例ハザードモデルを用いた。また、紹介からの経過時間によって関連が異なるかを探索的に検討した。


結果: 2型糖尿病の発症リスクが高い成人2,326,400人のうち、271,582人(11.7%)が追跡期間中に2型糖尿病を発症した。追跡期間の中央値は3.7年(四分位範囲[IQR]1.44~4.83年)だった。

社会的処方への紹介割合は、2019~2020年の0.3%(3,897/1,479,172人)から、2023年1~11月には2.5%(47,883/1,917,187人)へと9.5倍に増加した。

紹介は、女性(調整オッズ比[aOR]1.42、95%信頼区間[CI]1.40~1.43)、より剥奪度の高い地域の居住者(aOR 1.89、95% CI 1.86~1.93)、現在喫煙者(aOR 1.71、95% CI 1.68~1.73)、肥満のある人(aOR 1.19、95% CI 1.17~1.21)、うつ病・不安症のある人(aOR 2.52、95% CI 2.49~2.54)、多疾患併存のある人(aOR 1.45、95% CI 1.43~1.47)で多かった。

暦年別の解析では、社会的処方への紹介は、2019年には2型糖尿病の発症リスク上昇と関連していた(調整ハザード比[aHR]1.67、95% CI 1.20~2.32)が、2023年には発症リスク低下との関連が認められた(aHR 0.84、95% CI 0.79~0.89)。

紹介後の経過時間別では、紹介後0~2年では発症リスクの上昇と関連していた(aHR 1.09、95% CI 1.04~1.15)が、3年以上経過した後では発症リスク低下との関連が認められた(aHR 0.88、95% CI 0.80~0.97)。


結論:社会的処方は、健康面・社会面のニーズがより大きい人々に届いていた。2型糖尿病発症リスクの低下との関連は、COVID-19後にサービスが成熟するにつれて、また追跡期間が長くなるにつれて現れていた。この結果は、サービスへの継続的な参加が関係している可能性を示唆するが、実際の利用状況に関するデータは得られていなかった。


感想

必要な人に届いている点と、時間経過とともに効果が表れる点を示しているのが白眉だと思います。