2026年10月9日金曜日

研修医はメンタルを病みやすいがあまり受診しない

 Syed S, Myran DT, Solmi M, Kobewka D, Yoo S, Gibb M, Spilg E, Kendall CE, Fleming N, Maniate JM, Tucker J, Hundemer GL, Colman I, Tanuseputro P, Sood MM. Mental Health Care Use Among Resident Physicians Compared with the General Population. J Gen Intern Med. 2026 Oct 5. doi: 10.1007/s11606-026-10843-3.


背景 医師では一般人口よりもメンタルヘルス上の問題が多いことが、これまでの調査から示唆されている。しかし、こうした問題が医師という職業特有の要因によるものなのか、それとも社会全体にみられる変化を反映したものなのかは明らかではない。特に、独特のストレスにさらされる研修医においてメンタルヘルス上の問題がより大きな影響を及ぼしているのか、また男女で違いがあるのかについては十分にわかっていない。本研究では、研修医におけるメンタルヘルス関連の医療機関受診を、非医師と比較し、さらに性別による違いを検討することを目的とした。


方法 2004年4月1日から2018年3月31日までを対象とした、性別で層別化した人口ベースの後ろ向きコホート研究を実施した。研修医を、研修開始年、性別、年齢、都市・農村区分、所得五分位を用いて、非医師と1:5でマッチングした。主要評価項目は、5年間の研修期間中におけるメンタルヘルス関連の受診率とし、メンタルヘルス疾患を示す診断コードまたは請求コードが記録された場合を受診と定義した。


結果 研修医10,925人と、マッチングされた非医師54,625人を対象とした。研修医の平均年齢は27.2歳で、女性が5,941人(54.37%)、男性が4,984人(45.62%)であった。全体として、研修医の34.35%が研修期間中にメンタルヘルス関連の受診をしていたのに対し、非医師では36.13%であった。すべての群で不安症が最も一般的な診断であり、女性研修医ではメンタルヘルス関連受診の67.38%を占めた。

研修医の中では、女性は男性よりもメンタルヘルス関連受診のリスクが高かった(調整HR 1.44、95% CI 1.35–1.54)。一方、非医師と比較すると、女性研修医の受診率は女性非医師より低かった(39.71% vs 41.24%、調整HR 0.89、95% CI 0.85–0.93)。男性でも同様に、男性研修医は男性非医師より受診率が低かった(27.97% vs 30.03%、調整HR 0.81、95% CI 0.76–0.85)。


結論 研修医の3人に1人が研修期間中にメンタルヘルス関連の医療機関を受診していた。しかし、受診率は、背景因子をマッチさせた非医師よりも低かった。これは、医師のメンタルヘルスに関する懸念が持続しているにもかかわらず、研修医が必ずしも一般人口より積極的にメンタルヘルスケアを利用しているわけではないことを示している。女性研修医は男性研修医よりも受診率が高く、この点は一般人口における男女差と同様のパターンであった。


感想

重要な記述研究です。研修医はメンタルで病院を受診するのにハードルがあるのでしょう。