2026年10月20日火曜日

プライマリケアにおける緩和ケアのQI

 Cunha V, Sidhu R, Gonzalez Pallares K, Englesakis M, Tripodoro VA, Pereira J, et al. Mapping quality indicators for primary care-based palliative care: a systematic review. BJGP Open. 2026 Sep 8. doi:10.3399/BJGPO.2026.0229.


背景

生命を脅かす疾患を抱える人々に対して、プライマリ・ケアに緩和ケアを組み込むことの重要性がますます認識されている。しかし、既存の緩和ケアの質指標(quality indicators:QIs)が、プライマリ・ケアの現場にどの程度適しているかは、依然として明らかでない。


目的

プライマリ・ケアで提供される緩和ケアに関連する質指標を特定し、体系的に整理・分類するとともに、その質を評価すること。


研究デザイン・設定

プライマリ・ケアを基盤とする緩和ケアに適用可能な質指標を記述した研究を対象とするシステマティックレビュー。


方法

MEDLINE、Embase、Cochraneデータベース、Global Index Medicusを対象に、各データベースの収載開始から2024年7月までの文献を検索した。緩和ケアとプライマリ・ケアの両方に関連する質指標を記述した研究を適格とした。

指標は、Donabedianの枠組みに基づいて「構造」「プロセス」「アウトカム」に分類した。さらに、National Consensus Projectの緩和ケア領域、およびWHOのプライマリ・ヘルス・ケア(PHC)測定・改善フレームワークに対応づけた。また、Appraisal of Indicators through Research and Evaluationという評価ツールを用いて、指標の質を評価した。


結果

22件の研究が適格基準を満たし、関連する質指標381項目が抽出された。

指標の大部分はケアのプロセスに関するもので(64.8%)、構造に関する指標は27.6%、アウトカムに関する指標は7.6%だった。

緩和ケアの指標は、PHCの領域のうち、継続性、連携、患者中心性、ケアの有効性に集中していた。一方、心理社会的、スピリチュアル、文化的な領域を扱う指標は少なかった。また、ガバナンスや集団の健康に着目したアプローチなど、PHCの構造的なシステム要素を捉える指標もごくわずかだった。

指標の方法論的な質は、目的の明確さについては最も高かったが、利害関係者の関与についてはばらつきがあり(28~94%)、実装のための具体的な指針については低かった(17~65%)。


結論

現在の緩和ケアの質指標は、ケアのプロセスに重点を置いており、プライマリ・ケアを基盤とする緩和ケアの幅広い側面を十分に反映できていない可能性がある。特に、患者中心のアウトカムや、心理社会的、スピリチュアル、文化的な領域が十分に捉えられていない。

今後は、プライマリ・ケアの実践に特化した質指標を開発し、その妥当性を検証する必要がある。


感想

QI開発のためのSRという位置づけでしょうか。着眼点がいいなと思います。