2026年10月16日金曜日

プライマリケアと精神科の連携

 Miner SA, Breslau J, Engel C, Yi S, Matthews LJ. Defining mental disorder: differences in primary care providers’ and psychiatrists’ conceptions of illness. J Gen Intern Med. 2026 Oct 13. doi: 10.1007/s11606-026-10906-5.


背景

プライマリ・ケア医(primary care providers:PCPs)は、精神疾患の認識や診断において、ますます重要な役割を担うようになっている。しかし、PCPsが診療する患者集団において精神疾患をどのように概念化しているのか、また、その概念化が精神科医による精神疾患の捉え方とどのように異なり、どのような点で一致するのかは、ほとんど明らかになっていない。


目的

以下の3点を明らかにすることを目的とした。

1. PCPsと精神科医が、精神疾患が疑われる患者をどのように説明するか。

2. PCPsと精神科医が、診断・治療が容易な患者と、診断・治療が困難な患者をそれぞれどのように説明するか。

3. PCPsが精神科への紹介をどのように管理しているか。


デザイン

オンラインによる質的インタビュー研究。


参加者

PCPs 41人、精神科医41人の計82人が参加した。参加者は、診療対象地域の異なる2つの医療ネットワークから募集された。東海岸のCambridge Health Allianceは主に都市部・郊外の患者を診療しており、西海岸のUniversity of Washingtonは都市部・郊外・農村部の患者を診療している。


分析方法

研究チームは、迅速フレームワーク分析(rapid framework analysis)の手法を用いて、インタビュー記録を演繹的に分析した。


主な結果

PCPsと精神科医は、診断・治療が容易な患者については、類似した特徴を挙げていた。一方、PCPsは統合失調症などの複雑な精神疾患を有する患者について、診断・治療がより困難であると捉えていた。こうした複雑な患者の管理に比較的自信を持っているPCPsは、精神科サービスを利用できる環境、あるいは電子的なコンサルテーション(e-consult)サービスを利用できる環境にあった。


結論

PCPsと精神科医による精神疾患患者の捉え方の違いを検討することで、精神医療における課題が明らかになる。その一つは、PCPsと精神科医の連携の必要性である。精神科医によるe-consultサービスなどの連携は、特に農村部における精神医療へのアクセス改善に役立つ可能性がある。また、診断や治療管理についてプライマリ・ケア医が支援を必要とする、より複雑な患者への対応にも有用と考えられる。


感想

結果は目新しいものはないかなという印象です。連携していきましょうということなのでしょうか(ありきたりですが)。