2026年10月17日土曜日

子宮頸がん検診の受診率改善

 di Martino E, Khan T, Bradley SH, Daniels T, Foy R, Alderson S, et al. Evaluation of an audit and feedback intervention to improve uptake of cervical screening. BJGP Open. 2026 Oct 6. doi: 10.3399/BJGPO.2025.0218.


背景

子宮頸がん検診プログラムは長年にわたって実施され、その有効性を裏付ける強固なエビデンスがある。しかし、検診への参加率は低下している。イングランドでは2023~2024年に、対象者のおよそ3分の1が検診を受けていなかった。


目的

一般診療(general practice)において、子宮頸がん検診の受診率を改善するための監査とフィードバック(audit and feedback)介入について、実施可能性と受容性を評価すること。


研究デザインと実施施設

3つのプライマリ・ケア・ネットワーク(primary care networks:PCNs)に所属する一般診療施設のスタッフ、および地域・国レベルの政策担当者を対象とした、半構造化インタビュー研究。


方法

23の一般診療施設を対象に、四半期ごとの報告書を作成した。報告書では、各施設の子宮頸がん検診受診率を、社会経済的剝奪の程度が類似する地域の他施設と比較した。さらに、受診率改善に役立つ資料や実践的な提案も掲載した。

報告書は各施設の管理者に電子メールで送付し、管理者からチーム内で共有するよう依頼した。

研究者らは、施設スタッフおよび医療サービスの責任者に半構造化インタビューを実施し、報告書がどのように受け取られ、理解され、活用されたかを調べた。インタビューの設計と分析には、臨床パフォーマンスのフィードバック介入理論(Clinical Performance Feedback Intervention Theory:CP-FIT)を用いた。


結果

一般診療施設のスタッフ14人と、医療サービスの責任者3人にインタビューを実施した。

施設のチームは、インタビューへの招待を受けるまで、フィードバック報告書を見た記憶がほとんどなかった。しかし、インタビュー時に報告書を提示されると、概して肯定的に評価した。

報告書の形式、長さ、配信頻度、内容はいずれも適切と考えられていた。子宮頸がん検診の業務に携わるスタッフは、報告書を明確で有益なものと評価し、認識や動機づけが高まることで、改善に向けた具体的な行動につながる可能性があると考えていた。


結論

フィードバックの対象者に報告書が届かなければ、監査とフィードバックによって子宮頸がん検診の受診率を改善することはできない。

フィードバックが本来の対象者に確実に届くように、施設内で情報伝達の窓口となる「ゲートキーパー」を巻き込む、あるいはその経路を介さずに対象者へ直接届ける、より効果的な方法が必要である。


感想

大事な着眼点だと思います。素晴らしい研究ですね。