2026年7月25日土曜日

祈りが疼痛と不安を緩和する

 Jaconson K, Zipp J, Jones B, et al. Prayer for Pain and Anxiety in a Primary Care Setting: A Randomized Controlled Trial. Ann Fam Med. 2026; 24(3): 192-197; DOI: https://doi.org/10.1370/afm.250302


目的

遠隔での執り成しの祈り(執り成し:intercession 神や聖人へ他者のために捧げる祈り)を補完医療として研究した結果は一貫性がない。本研究では、痛みや不安の治療に用いられる、一般的に行われている近接での執り成しの祈り(PIP)について調査した。


方法

家庭医療の診察を待っている患者から180名の参加者を募集した。疼痛患者では、11段階(0~10)の痛みの強さの数値評価尺度で、過去7日間に4点以上のスコアがある患者を対象とした。不安患者では、診断に関係なく、全般性不安障害7項目尺度(GAD-7)で10点以上のスコアがある者を対象とした。参加者は診察後、訓練を受けたボランティアの祈祷師によるキリスト教のPIP(90名)または音楽(対照群、90名)のいずれかを5分間受けた。質問票で、痛みまたは不安を直後、2週間後、6週間後に再評価した。


結果

近接的執り成しの祈り群の参加者は、対照群の参加者と比較して、直後および2週間後に痛みが有意に大きく(1~2ポイント)軽減し、リッカート不安尺度が直後に大きく(約2ポイント)軽減し、GAD-7が2週間後および6週間後に大きく軽減したと報告した。両群の参加者はよく一致しており、主に黒人、女性、低所得者、キリスト教徒であった。結果は、ほとんどの人口統計学的特性、ベースライン症状、宗教的所属、癒しの祈りの信念、または宗教的強度の尺度によって有意に異ならなかった。主な例外は、黒人参加者が痛みと不安の症状軽減が大きかったと報告したことである。参加者は有害事象を報告しなかった。ほとんどの参加者は、医療受診とともに将来のPIPの機会を希望していると報告した。


結論

PIPは、痛みや不安に対する補完療法として安全かつ効果的で、好評を得た。さらなる研究が求められる。PIPは、低コストで非薬物療法であり、標準治療への効果的な補助療法として、特に医療サービスが行き届いていない人々にとって有益となる可能性がある。


感想

宗教的背景には彼我の差があると思いますが「私のために祈られる」という経験が慢性疼痛や不安を軽減する、というのは非常に興味深く示唆に富むことだと思います。あなたのために時間を使ってあなたのことだけを考えています、というメッセージになるのでしょうか。RCTでこれをするのはとても面白いと思います。