2026年7月3日金曜日

家族性高コレステロール血症のレビュー

 JAMA Insights:Familial Hypercholesterolemia

https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2850800


未治療のヘテロ接合型FH患者は、男性の約半数が50歳までに致命的または非致命的な冠動脈イベントを発症。

女性だと約3分の1が60歳までに発症。


FH の診断は遺伝子型ではなく表現型による。

LDL-C>190 mg/dLで、早発性 ASCVD の家族歴 (親子兄弟姉妹で、男性 55 歳未満or女性65 歳未満:心筋梗塞または冠動脈血行再建術) があれば、FHの基準を満たす。

遺伝子がFHでなくても、結局治療は同じ(意訳です)

LDL-C が 190 mg/dL 以上の成人のうち、遺伝子変異があったのは2%~3%のみ。遺伝子検査はコスパよくなさそう。


臨床所見:腱黄色腫 (<15%)、角膜環(約 30%)、黄色腫 (5%)


2026年ACC/AHA脂質異常症ガイドラインでは、9~11歳から非空腹時総コレステロール値および高密度リポタンパク質コレステロール値、または空腹時脂質プロファイルによる1回の脂質スクリーニングを行い、19歳から5年ごとに再評価することを推奨。

FH確定/疑い例が家族にいる場合、2歳から単一の脂質プロファイルによるカスケードスクリーニングが推奨。

すべての成人は、リポタンパク質aの単回測定が推奨

(→このあたりは本邦の現状には即していない気がします。)


8~18歳の間に FHを発見して治療すると、39 歳時点での心血管疾患のない生存率が74%→99%に増加し、心血管死亡率が 7%→0%に減少。


 ASCVDのないヘテロ接合型FH患者のLDL - C目標値は70mg/dL未満。ASCVD患者の場合は55mg/dL。


第一選択は高強度スタチン。

飽和脂肪摂取量を総カロリーの7%未満に減らすこと、週に少なくとも150分の中強度有酸素運動、および体重管理を含む生活習慣の改善と組み合わせる。

8歳から18歳の間にスタチン療法を開始すると、FHにおけるASCVDイベントのリスクと頸動脈アテローム性動脈硬化症が減少する。


第二選択はエゼチミブ10mg おそらくここまで併用するケースが多いだろう。

スタチンとエゼチミブの最大耐用量でLDL-Cの目標が達成されない場合、PCSK9を2週間ごとに皮下投与。

インクリシラン(レクビオ(R))284mgの年2回皮下投与という方法も

ベムペド酸(1日180mg経口投与)はスタチン不耐性患者においてASCVDリスクの低減効果が実証。


感想

FH疑いを臨床的に見つけ出してがっつり治療、というのは、自分の今までのスタンスと一致していた。

家族の介入は十分できていないと反省。小児期でみつけて治療開始する意義は確かにあるなと思った。

まだPCSK9を使っているケースには遭遇していません。年2回皮下注ならプラリアみたいにできて患者負担も楽でいいなと思いました。