2026年6月25日木曜日

健康づくりに参加する動機

 Wakasa H, Kurotori I, Aoyanagi M, Kimura T, Tamakoshi A. Motivating Factors for Continuous Participation in a Municipality-Initiated Incentive-Based Health Promotion Program: A Qualitative Study.  J Gen Fam Med. 2026;27(3): e70117, https://doi.org/10.1002/jgf2.70117.


背景

非感染性疾患(NCD)は世界的な死因の第一位であり、身体活動不足は主要な修正可能な危険因子である。日本では、NCDによる死亡率の高さと身体活動率の低さから、自治体は健康的な行動を促進するインセンティブプログラムを開始している。しかし、短期的な報酬以外の長期的な効果や動機については、依然として不明な点が多い。


方法

北海道中佐津内村において、質的記述研究を実施した。2022年に、健康ポイントプロジェクトに継続的に参加している21名の参加者を対象に、個人インタビュー17件とフォーカスグループインタビュー1件を行った。参加者は、歩数計測、健康診断、イベント参加などを通じてポイントを獲得し、それを商品券と交換することができた。データは、共著者によるレビューとメンバーチェックを伴う帰納的内容分析を用いて分析した。


結果

参加者の平均年齢は60.3歳だった。継続的な参加を説明する8つのカテゴリーは、積極的な努力なしに得られるメリットを楽しみにしていること、よく設計された環境の中で身体活動に取り組むよう促されていること、健康を維持したいと願っていること、運動のメリットと影響を認識していること、自分なりの方法やスタイルで活動に取り組んでいること、運動と健康管理を習慣化していること、仲間から刺激を受けていること、そしてコミュニティ意識を感じていることであった。インセンティブが最初の参加を促し、習慣形成、健康改善、社会的交流、コミュニティへの参加が長期的な参加を維持した。


結論

参加者の継続的な関与は、金銭的なインセンティブだけでなく、個人的なつながりや地域社会への帰属意識といった経験によっても促進された。したがって、自治体のインセンティブプログラムは、個人の健康行動と社会的な幸福の両方を向上させる可能性があり、持続可能な健康増進イニシアチブにおいて、金銭的なインセンティブと並行して社会的な交流の機会を組み込むことの重要性を強調している。


感想

研修医の時に同様の疑問で学会発表したことがあります(当時は研究のイロハが分からず論文化には至らず)。コミュニティ帰属意識が案外大事だという結論だったと記憶しており、この研究の結果とも一致します。