Williamson B, Light KJ, Chapa H. Nausea and Vomiting During Pregnancy. Am Fam Physician. 2026;113(6):559-565.
https://www.aafp.org/afp/2026/0600/nausea-vomiting-during-pregnancy
吐き気と嘔吐は、妊娠中によく見られる症状である。重症度は、妊娠特有の嘔吐と吐き気の定量化(PUQE)スコアなどのツールを用いて評価する必要がある。重症の場合は、二次的な原因を除外するために、追加の病歴を聴取する必要がある。治療は症状の重症度によって異なり、軽症の場合は、誘発因子の回避や食事療法などの行動療法から始める。食事療法には、少量で頻繁に、味付けが薄く、乾燥していて、タンパク質の多い食事が含まれる。軽症または中等症の場合の第一選択薬は、ビタミンB6(ドキシルアミン併用または非併用)である。保存的治療が効果がない場合、または耐えられない場合は、他の抗ヒスタミン薬やドーパミン拮抗薬などの追加の薬物療法が選択肢となる。メトクロプラミドとオンダンセトロンは、持続する症状に対する第二選択薬と考えられている。脱水と電解質異常は是正する必要があり、経口摂取が不可能な場合は入院が必要になる場合がある。難治性または重度の症状に対する治療には、コルチコステロイドの使用が検討され、まれなケースでは経腸栄養または静脈栄養の補助が行われる。
感想
つわりの対応は家庭医として押さえておくべきです。食事の工夫などは具体的に説明できるといいですね。
本文中のフローチャートでは、ビタミンB6で十分改善しない場合は、フェノチアジン(具体的にはノバミン(プロクロルペラジン))または抗ヒスタミン薬とありますが、ノバミンは添付文書上「妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、投与しないことが望ましい。」とあるので、実際には選択しづらいことになります。抗ヒスタミン薬については、日本産婦人科学会の蕁麻疹治療に関するページで、「現在までにわが国で承認されている抗ヒスタミン薬はすべて催奇形性の報告はない。第2世代の抗ヒスタミン薬の中で妊婦の使用経験の蓄積と弱いエビデンスがあるロラタジンとセチリジン塩酸塩が一選択薬となる。」とあり、つわりでもこの対応でいいような気がします。それでもだめならメトクロプラミドとなっています。日本だと小半夏加茯苓湯も選択肢になると思います。