Osman S, Harrison R, Burton C, Hider SL, Raiyat H, Welsh VK, Faux-Nightingale A. Defining a theoretical framework for a quality referral at the primary-secondary care interface: a systematic scoping review with qualitative content analysis. Br J Gen Pract. 2026 May 19:BJGP.2025.0304. doi: 10.3399/BJGP.2025.0304.
背景:一次医療機関から二次医療機関への紹介は、家庭医の役割において重要な要素ですが、紹介の質には大きなばらつきがある。紹介情報が不十分だと、患者の治療が遅れたり、治療結果が悪化したり、医療資源に負担がかかったりする可能性がある。現在、質の高い紹介とは何かについて、普遍的に受け入れられている枠組みは存在しない。
目的:一次医療と二次医療間の質の高い紹介のための理論的枠組みを定義し、効果的な紹介実践の主要構成要素を特定すること。
デザインとセッティング:1999年7月から2024年8月までに発表された研究を特定するため、Embase、CINAHL、およびMedlineデータベースを体系的に検索する体系的なスコーピングレビューを実施した。GP紹介の質を記述する質的内容分析を、スコーピングレビューのための体系的レビューおよびメタアナリシスの報告項目拡張ガイドラインに従って実施した。
方法:対象となる研究は、紹介の質を主要評価項目とし、一次医療から二次医療への紹介を扱った英語の出版物とした。研究は、質的内容分析を用いて帰納的に分析し、効果的な紹介の重要な属性を特定し、それらを包括的なテーマに分類した。
結果:検索の結果、3461件の研究が見つかり、そのうち54件が分析対象となった。4つのテーマが特定された。患者の臨床的特徴(完全な病歴、関連する検査、身体診察)、臨床推論(明確な紹介適応、構造化されたテンプレートの使用、ガイドラインの遵守、適切な緊急度分類)、患者要因(患者の理解度、患者の希望、情報の流れ)、および紹介の障壁(時間的制約、専門分野の知識不足、教育ニーズ)である。これらの知見に基づき、質改善チェックリストが作成された。
結論:紹介状は詳細さと使いやすさのバランスを取り、臨床的推論、関連する病歴、患者の関与が明確に伝わるように実用的なアプローチを取りつつ、不必要な事務的負担を避ける必要がある。
感想
チェックリストは以下の通り
〇患者の臨床的特徴
・完全な既往歴(アレルギー歴、薬剤歴、社会歴、家族歴をふくむ)
・関係する直近の検査(採血、画像)
・紹介理由に関連する身体診察所見
〇診療推論と構造
・明快な紹介理由
・適切な緊急紹介経路(ルーチン、急ぎ、緊急など)
・地域的/全国的な最新の臨床ガイドラインに則った紹介
・標準的なテンプレートの使用(電子/紙媒体)
〇患者要因
・患者が知っている紹介の目的
・患者の期待/好み(通訳や介助人が必要など)
・フォローアップやセーフティネットのプラン
〇システム上の障壁と改善領域
・完全な紹介を阻害する要因(時間やシステムの問題)
・教育的ニーズ(紹介基準に不案内など)
・二次医療機関からのフィードバックループ
英国の事情にかなり寄っている内容だなと思いつつ、日本の診療に取り入れられるとすれば患者要因ですかね。私も、「患者はここまで知っています」とか、僻地診療所では「これさえしてくれたらあとはこっちでします」とか書くことがあります。