2014年11月25日火曜日

寒冷蕁麻疹(ハリソン問題集)



ハリソンの問題集を解き進めております。
知的好奇心をくすぐられます。




28歳女性。10年前より、手足が冷たいものの触れると蕁麻疹ができる。冷たいもの以外の誘因はない。喘息・アトピー・食物アレルギーの既往なし。薬剤歴は5年前からのピルのみ。舌圧子で前腕をひっかくとその部分が隆起する。手を冷たい水につけると、発赤腫脹が生じ、膨疹‐潮紅反応も見られる。


UpToDate-Cold urticariaをざっと纏めるとこんな感じ。
(画像はすべてUpToDateより)

・寒冷曝露により脂肪細胞が活性化しておこる蕁麻疹。原因は不明。



症状は曝露領域に限局し、数分で出現。曝露が激しいと全身反応起こすこともあり、アナフィラキシーや咽頭浮腫による窒息をおこすことも。

・診断は寒冷刺激検査(CST)で行う。



・多くは特発性。全身の炎症(発熱・関節痛など)や紫斑ができる場合は、感染症やfamilial cold antiinflammatory syndrome(FCAS)などを疑う。

寒冷刺激を避けるのが一番だが実際には難しい。第2世代抗ヒスタミン薬投与が推奨される。



知らないことがたくさんあります。