今週のNEJM Case Records of the Massachusetts General Hospitalです。
解説は次の記事を見てくださいね。
Case 35-2014
A 31-Year-Old Woman with Fevers, Chest Pain, and a History of HCV Infection and Substance-Use Disorder
【患者】HCV感染と薬物使用障害の既往がある31歳女性
【主訴】発熱・呼吸困難・胸痛
【現病歴】
10日前に高熱が出現、2日後に解熱した。
6日前より、40.3℃にもなる高熱が出現。それに付随して悪寒、びまん性蕁麻疹、胸痛、背部痛、膝痛もあり。
1日前の夕方、38.9℃の熱がありイブプロフェン内服。
当日午後、当院救急受診。
【既往歴】
14歳より注射薬物(ヘロイン、コカインなど)使用、直近の使用は入院前日。
メタゾン維持プログラムなどの治療プログラムに何回か参加したことがある。
15歳でHCV感染が判明
多数の皮膚膿瘍が手、腕、足、背中にあり、いくつかは切開排膿したことがある。培養ではEnterobacter cloacaeやコアグラーゼ陰性ブドウ球菌、MSSAが出た。
他は不安障害、腋窩多汗症、胆石、血管作動性鼻炎、肺炎、副鼻腔炎、膀胱炎、腎盂腎炎、背部痛、左足表在静脈の血栓静脈炎
【薬剤歴】
メタゾン(自分で手に入れた、前日服用)、イブプロフェン
【アレルギー歴】
ブプレノルフィンとナロキソンの組み合わせで退薬症状を呈したことがある
【生活歴】
昔は路上生活をしていた。いまはルームメイトと住んでいる
仕事で動物に接触する。喫煙あり、飲酒は時々。
去年メキシコに旅行した。
【家族歴】
姉妹に甲状腺疾患あり。両親は元気。
【vital signs】
意識清明、体温37.1℃、血圧105/58mmHg、脈拍111bpm、呼吸数18/min、SpO2 100%(r/a)
【身体所見】
胸部:肺野聴診にて巣状のクラックルが散在。
心音:下部胸骨左縁に間欠性の柔らかい雑音があり、吸気で増強しない。
外表:鼠径リンパ節腫大あり。腕、足、大腿に注射痕あり、膿瘍・感染の所見はなし。
両膝関節に熱感あり。左膝内側に少量の液体貯留あり、中等度圧痛あり、可動域正常、発赤なし。
その他:T12-L3にかけて脊椎圧痛あり。
【検査】
血液検査:Ht 27.8%↓、Hb 9.7g/dl↓、WBC 10,300/mm3、MCV 76um3↓、PT 15.1sec↑、K 3.1mEq↓、Cr 0.51mg/dl↓、Alb 3.1g/dl↓、ALP 332U/l↑
尿検査:色調は透明黄色、比重1.020、pH 6.0、ケトン±、Alb±、ウロビリノーゲン2+、ビリルビン1+
ECG:洞性頻脈(109bpm)。他に所見なし
胸部Xp
胸部単純CT
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