2014年11月18日火曜日

エボラより健康を脅かす5つのこと



エボラ出血熱

なかなか収まる気配がありません。


エボラ出血熱がこれほどまでに広がってしまった背景には

貧困がはびこり、政府が機能していないことが

あると考えています。


WHOのThe Solid Facts(日本語版はこちら)では

健康の社会的決定要因の1つとして

社会格差(social gradient)が挙げられていますね。



しかし、日本国内のことを考えてみると

あんまりヒステリックに騒ぐのもどうかという気分になります。



アメリカの公衆衛生学会が

   5 things that are bigger threats to your health than Ebola

と題し、アメリカ国内の健康を脅かす重大な要因について解説しています。


  1. 耐性菌(Antibiotic-resistant bacteria)

  2. 異常気象(Severe weather)

  3. 蚊が媒介する病気(Mosquito viruses)

  4. 交通事故(Vehicle and pedestrian safety)

  5. 肥満(Obesity)


これらの要因は、エボラより身近であり、

かつ、予防可能であるものであるとまとめられています。



日本だと、この5つの要因はどうなるのでしょうかね。

というわけで

私家版"5 things that are bigger threats to your health than Ebola in Japan"

を考えてみました。


  1. 耐性菌

  2. 低いワクチン接種率

  3. 自殺

  4. 交通事故

  5. 肥満


「格差と貧困」「アルコール」なんかも候補だとおもいます。


「がん治療についての極端な風説とそれを流布するメディア」を

ランクインさせようかとも思ったのですが

皮肉が強すぎるのでやめておきました。



耐性菌は日本でも大きな問題ですよね。


以前、実習していた病院に肺アスペルギルス症の方が来院されましたが、

前医で、日替わりでありとあらゆる抗菌薬を投与されていました。

今日の占いカウントダウンじゃないのですから、

今日のラッキー抗菌薬みたいな感覚で、

ナントカペネムとかを乱用するのは、勘弁いただきたい限りです。

そして、アスペルギルスに効く薬はなにも投与されていない。ガックシ。



健康については、非常に関心が高いトピックであるがゆえに、

冷静な情報を提供する義務が医療者にはあると思います。



…そういえばデング熱の報道って最近聞かないですね。