2015年1月6日火曜日
46歳男性:腹痛と低血圧/60歳男性:慢性下痢と胃潰瘍(Mayo Residents' Clinic)
今月のMayo Clinic ProceedingsのResidents' Clinicはこの2つでした。
46-Year-Old Man With Abdominal Pain and Hypotension
60-Year-Old Man With Chronic Diarrhea and Peptic Ulcer Disease
1例目は、ヒスタミン中毒によるショックでした。
最初から食事摂取歴が提示されているので診断は簡単ですが
ヒスタミン中毒でショックが起こりうるとこが盲点になりそうだなと思いました。
皮疹+ショックできたらまずアナフィラキシーを思い浮かべるだろうし。
日々是よろずER診療のこの記事にも、アナフィラキシーと間違えやすいヒスタミン中毒の例について載っています。
~Clinical Pearl~
アドレナリンの反応が悪いアナフィラキシーをみたら、内服薬(βブロッカー)と食事(直前にサバやマグロを食べているか)を聴取する。
2例目はゾリンジャーエリソン症候群。
タイトルだけで診断も可能ですね。
Stool osmolar gapは、日本で測定しているところを見たことがないのですが
海外の文献だと非常に多用されている印象があります。
290 – 2 ([Na+] + [K+]) が50以下ならSecretory diarrhea, 100以上ならOsmolar diarrheaです。
最重要点がケースの最後に書いてありましたので、引用してパールにしたいと思います。
~Clinical Pearl~
Although chronic diarrhea is common, a methodical and thorough approach is important to not overlook rare but potentially serious, yet curable, conditions.