2015年1月12日月曜日
メタアナリシスにおける報告バイアス
BMJにメタアナリシスにおける報告バイアスについての記事がありました。
Meta-analysis: testing for reporting bias
BMJ 2015;350:g7857
メタアナリシスはエビデンスの王様みたいな扱いを受けていますよね。
でも、当たり前ですがメタアナリシスにもバイアスは入り込む余地があるわけです。
引用バイアス、言語バイアス、出版バイアス、タイムラグバイアスなどが例示されていました。
これらをまとめて報告バイアスというそうです。
(用語にはゆらぎがあるみたいですが、ここでは本文中での使い方に基づいています)
メタアナリシスにおける報告バイアスを検出する方法として
funnel plotとEgger's testが紹介されていました。
これがfunnel plotです。
あるメタアナリシスの結果、オッズ比が0.61(0.45-0.82)でした。
ここで、メタアナリシスに用いた各RCTの結果をプロットしてみると
このような左右非対称性が現れました。
つまり、オッズ比が低いRCTをより多く選んできているということです。
報告バイアスの存在が疑われるプロット、ということになります。
それじゃあ、本当に左右非対称性があるのか。
これを調べるのがEgger's testです。
このメタアナリシスだと、P=0.11となり、有意差なしとなりました。
ただ、Egger's testはtypeⅡのエラーを起こしやすい
つまり、本当はあるものをないとしてしまいやすいらしく
Egger's testで有意差なしイコール報告バイアスなしとしてはいけないみたいです。
また、RCTが10個以上のメタアナリシスでないと使ってはいけないそうです。
funnel plotとEgger's testを初めて知ったので
このようにまとめてみました。
もし間違い、誤解などありましたら教えていただければ幸いです。