2015年1月21日水曜日

非感染性疾患を予防するためには



1/19のWHO Newsに、非常に興味深い記事が載っていました。

Noncommunicable diseases prematurely take 16 million lives annually, WHO urges more action


Noncommunicable diseases
初めて聞いた言葉だったのですが、WHOの説明を訳すと以下のようになります。

 Noncommunicable diseases (NCDs)は、慢性疾患とも言います。
 人から人へ移るものではありません。
 長い時間にわたり、たいていはゆっくり進行していきます。
 NCDsのメインとなる4つのタイプは
  心血管疾患(心筋梗塞や脳卒中など)
  悪性腫瘍
  慢性呼吸器疾患(COPDや喘息など)
  糖尿病
 です。


2012年では3800万人がNCDsでなくなっており、そのうち42%は予防できたものでした。
NCDsによる死亡の3/4は、経済的に低~中間の国で起こっており、感染性疾患による死を上回りつつあります。

というわけで、NCDsの予防を強力に進めていく必要があるとのことです。
そして、1人当たり年間1-3ドルの費用で予防は可能であると計算しています。

経済的かつ効果的な予防法は"best buy"です。
たばこ・アルコールの広告をやめる、トランス脂肪酸を多価不飽和酸に変える、健康な食事と運動を伝えるなどといった取り組みを国家が進めていくべきだと主張しています。



WHO From Burden to "Best Buys"より引用


日本だと、アルコール宣伝の規制、トランス脂肪酸の使用禁止、HBVワクチン、子宮頸がんスクリーニングあたりが課題でしょうか。

HBVワクチンは2016年度から定期接種化になるというニュースがでましたね。

子宮頸がんワクチンについては
最近の論文を見る限り副作用が多いとはいえないみたいです。
今月のJAMAにも、ワクチン接種での脱髄疾患のリスクは否定的であるとありました。
このあたりは、「六号通り診療所所長のブログ」のこの記事が詳しいです。


日本では「生活習慣病」=「だらけた生活しているお前が悪いんだ病」みたいになってますが、
経済状況が喫煙や運動習慣に相関するというデータもありますし
ヘルスプロモーションとしての系統だった介入が必要だと思います。