2021年6月5日土曜日

プライマリケア医はどれだけ論文読んでいて,それは臨床に活きているのか.

Clinician Use of Primary Care Research Reports

William R. Phillips, Elizabeth Sturgiss, Angela Yang, Paul Glasziou, Tim Olde Hartman, Aaron Orkin, Grant M. Russell, Chris van Weel

The Journal of the American Board of Family Medicine May 2021, 34 (3) 648-660; DOI: 10.3122/jabfm.2021.03.200436

https://www.jabfm.org/content/34/3/648.abstract?rss=1


目的

プライマリ・ケアの実践者が総合診療(GHC)やプライマリ・ケア(PC)の研究報告をどのように利用しているか、また、臨床実践に必要な情報がどの程度報告されているかを評価する。


方法

2019年に行われた国際的な専門家間のオンライン調査で,少なくとも半分の時間,患者を診ているプライマリ・ケア臨床医を対象とした。回答者は頻度尺度を用いて、GHCとPCの両方の研究にアクセスする頻度と、報告書がニーズを満たす頻度を報告した。自由記述のショートコメントには、コメントや提案が記録されていた。


結果

回答者の55%(121名)が女性で、その内訳は、医師が88%(195名)、看護師が5%(11名)、医師助手が3%(7名)であった。臨床家は、研究報告書を頻繁に読んでいるが、自分のニーズを満たしていないことが多かった。PC の研究については、33%(77 名)が学術雑誌の原著論文を毎週または毎日閲覧しており、36%が「頻繁に」または「常に」利用していた。また、GHCの研究報告については、アクセス頻度はやや高いものの、その有用性はやや低いという結果になった。


結論

PCの臨床家は、学術雑誌に掲載されているオリジナルの研究に頻繁にアクセスしているが、報告が情報ニーズを満たしていると感じるのは半分以下である。PCの研究は、PCというユニークな環境を反映しているため、報告には独特の焦点、ニーズ、課題がある。実践者は,研究の背景,介入,関係性,一般化可能性,および実施に関する報告の改善を望んでいる.


感想

海外のプライマリケア医はたくさん論文読んでいるんだなというのが第一印象でした.実務に根差した論文を書かないといけないということですね.