2021年6月19日土曜日

アルコール問題に対する簡潔な介入

 Rubin, A., Livingston, N.A., Brady, J. et al. Computerized Relational Agent to Deliver Alcohol Brief Intervention and Referral to Treatment in Primary Care: a Randomized Clinical Trial. J GEN INTERN MED (2021). https://doi.org/10.1007/s11606-021-06945-9


背景

アルコールのスクリーニングと簡単な介入は、有効性が実証されているが、実際のプライマリ・ケアの現場での効果と実施は限られている。


目的

アルコールスクリーニング、簡単な介入、および治療への紹介を行うようにプログラムされたコンピュータ化されたRelational Agentの効果を評価すること。実験条件の参加者は、通常通りの治療(TAU)の参加者と比較して、飲酒量の減少をより多く報告し、簡単な介入や専門医療機関への紹介をより多く行うとの仮説を立てた。


デザイン

本研究は、ハイブリッドI実施計画および層別RCTであった。参加者は、TAUまたはRelational Agent+TAUに無作為に割り付けられ、ベースラインおよび3カ月後のフォローアップで評価された。


参加者

アルコール検査で陽性となったプライマリ・ケア・スタッフからの紹介、または最近の診察で陽性となった患者に送られた手紙によって、178名の退役軍人の参加者が募集された。


介入

TAUは、年に一度、アルコールの使用状況を確認し、必要に応じて簡単な介入と治療の紹介を行うものであった。Relational Agentでは、自動化された簡単な介入、Relational Agentによる1カ月後の訪問、必要に応じた治療の紹介が行われた。


主な測定項目

3カ月間の1日あたりの平均飲酒量、週あたりの飲酒日数、簡単な介入の回数、および紹介の回数を測定した。


主な結果

参加者は両条件で飲酒量が減少し、主要なアルコール測定値にグループ間の有意差はなかった。しかし、Relational Agent+TAUの参加者は、3カ月間でアルコールに関連するネガティブな結果についてより大きな改善を示し、簡単な介入と専門家への紹介を受ける確率が有意に高かった。


結論

Relational Agentは、より多くの患者に簡単な介入を行い、専門医療機関に紹介することに成功し、プライマリケアの負担を増やすことなく、飲酒の程度が低い患者にも介入することができた。


感想

アルコール関連の有害事象が,比較的簡潔な介入で減らすことができるかもしれないことを示した研究.アルコール関連疾患の処方箋は「人とのつながり」なのだろうなという印象をもちました.