2026年10月30日金曜日

認知症患者の不安・抑うつ

 Nimmons D, Aboughdir M, Walters K, Cooper C, Renukanthan A, Chew-Graham CA, et al. Identification of anxiety and depression in community-dwelling people with dementia: a multiperspective qualitative study. Br J Gen Pract. 2026 Oct 26. doi:10.3399/BJGP.2025.0639.


背景

認知症のある人では不安や抑うつの症状がよくみられる。しかし、これらの症状をほかの症状と区別することは難しく、見逃されたり、適切に認識されなかったりすることがある。


目的

地域で生活する認知症のある人において、不安や抑うつの症状がどのように認識され、理解されているのかについて、本人、介護者、医療・福祉専門職それぞれの視点から明らかにすること。


研究デザイン・対象

英国の地域で生活する認知症のある人のうち、不安や抑うつを経験している人、その介護者、およびプライマリ・ケアに従事する医療・福祉専門職を対象とした質的研究。


方法

56人の参加者を対象に、対面、電話、ビデオ通話による半構造化インタビューおよびグループインタビューを実施した。インタビューを録音・文字起こしし、リフレクシブ・テーマ分析によってデータを分析した。


結果

2つのテーマと6つのサブテーマが抽出された。

第1のテーマは「認識と診断に影響する要因」であった。不安や抑うつ、認知機能障害の症状には類似性があり、これによって認知症の診断が遅れる可能性があると、すべての参加者群が考えていた。医療・福祉専門職と介護者は、認知症が進行するにつれて生じる行動や感情反応の経時的な変化が、不安や抑うつの認識に役立つと考えていた。

医療・福祉専門職と介護者は、不安や抑うつの症状を認知症そのものに起因すると捉えることが多かった。しかし、ほかの併存疾患も症状に影響する可能性があるため、別の原因についても検討する必要がある。すべての参加者群が、性格などの状況的要因によって、不安や抑うつの現れ方が異なる可能性を指摘した。

第2のテーマは「援助を求めることへのスティグマ」であった。すべての参加者群が、文化的背景(民族性など)、症状の否認、症状を隠すことなどが、援助を求める行動に影響すると考えていた。


結論

認知症のある人における不安や抑うつの認識は複雑である。行動の変化、併存疾患、文化的背景、スティグマなどの要因を考慮することで、症状をより適切に認識できる可能性がある。


感想

N集めて労作だなと思う一方で、結果は何一つ新しいことがなく、つまらない研究だなと思ってしまいました。