2021年5月25日火曜日

COPDの正しい診断と正しい治療

Dionisios Spyratos, Diamantis Chloros, Dionisia Michalopoulou, Ioanna Tsiouprou, Konstantinos Christoglou & Lazaros Sichletidis (2021) Underdiagnosis, false diagnosis and treatment of COPD in a selected population in Northern Greece, European Journal of General Practice, 27:1, 97-102, DOI: 10.1080/13814788.2021.1912729


目的

ギリシャ北部の一般住民において、COPDの過少診断、誤診、治療の有病率を算出すること。


方法

COPDの早期発見と禁煙プロジェクトの一環として実施された観察研究。組み入れ基準:2012年から2019年にかけて、ギリシャ北部の5つのプライマリーケアセンターで登録された、40歳以上かつ現在および過去の喫煙者(10パック年以上)。参加は、キャンペーン(ポスターやマスメディアでの広告)によって達成された。


結果

5,226人の被験者(平均年齢:58.2±12.7歳、男性61.5%、現在の喫煙者:56.2%)を対象とし、そのうち564人(10.8%)は症状があり、スピロメーターでCOPDが確認された。5つのグループが確認された.a)COPDと正しく診断されており、正しい治療を受けている群117/264(44.3%)、b)COPDと正しく診断されているが、過剰な治療を受けていた群139/264(52.7%)、c)COPDと正しく診断されているが、過小な治療を受けていた8/264(3%)、d)461 名(COPD と診断されていた人の 63.6%)が COPD と誤診されていた(=過剰治療);e) 300/564 名(53.2%)が COPD と診断されていなかった(=過小診断かつ過小治療)。その結果、過去に誤診があった人のうち322/461(69.8%)が長時間作用型気管支拡張薬+ICSを処方されていることがわかった。


結論

ギリシャ北部の一般住民において、COPD患者の50%以上が過少診断であり、正しく診断されたCOPD患者の50%以上が過剰治療であり、吸入薬を服用している患者のほとんどがCOPDの誤診(おそらくGOLDステージ0)の患者であった。


感想

とても興味深い結果.COPDは過小診断も過剰診断も過小治療も過剰治療も結構ある,という理解をしました.