2021年5月2日日曜日

言語の壁を超える認知症スクリーニングツール

 Schoenmakers B, Robben T. Barriers in screening for dementia in elderly migrants in primary care and the use of the Rowland Universal Dementia Assessment Scale. A mixed cross-sectional and qualitative study. Eur J Gen Pract. 2021 Dec;27(1):45-50. doi: 10.1080/13814788.2021.1913116. PMID: 33928835.

https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/13814788.2021.1913116?af=R


背景

移民は認知症のリスクが高いと言われている。しかし、適切なスクリーニングツールが使用されていないため、この集団では認知症の診断が十分になされていない。Rowland Universal Dementia Assessment Scale(RUDAS)は、文化的・言語的に多様な人々のためにデザインされたものである。


目的

移民のプライマリケアにおける認知症スクリーニング戦略についての知見を得て、GPによるRUDASツールの使用経験を評価すること。


方法

GPは、移民の認知症スクリーニングにおける障壁について質問され、RUDASの適用を求められた。フランドル地方のGPを対象とした混合法による研究を行った。オンライン調査では、移民の認知症スクリーニングに現在使用されている方法と障壁について調査した。質的なパイロットスタディでは、RUDASスケールのユーザーエクスペリエンスを調査した。


結果

回答したGPのうち102名(83.6%)が言語の問題を最も明らかな障壁として挙げていた。ほとんどのGPは、Mini Mental State Examinationは移民には不適切であると考えていたが、他の方法を知らなかった。時間的余裕がなく、対象者も限られていたため、RUDASを効果的に適用したのは2人のGPのみであった。このツールは理解しやすく、言葉の問題があってもそれほど困難ではないと思われた。RUDASを使用しない主な理由は、時間がかかると思われることであった。


結論

GPは、移民患者の認知症スクリーニングを、主に言葉の問題から困難な行為と感じている。GPは、移民の患者のニーズに合わせた適切なスクリーニング戦略やツールについて十分な自信を持っていない。


感想

この研究は日本でもすべきですね.