2015年8月18日火曜日
各種感染症検査の感度と特異度
各種感染症迅速検査について、日ごろの疑問をまとめてみました。
【ピロリ菌検査】
選択肢としては、尿素呼気試験、血清抗体検査、便抗原検査、内視鏡検査があります。
感度・特異度はどれも比較的良いみたいです。
注意点は以下の通りです。
・PPI・抗菌薬では、血清抗体検査以外の検査で偽陰性率が高くなる。
→なので検査の2週前にPPIは中止すること。
抗菌薬は4週前に中止すること。
・最近の消化管出血の既往があると、迅速ウレアーゼ検査と鏡検で偽陰性率が高くなる。
除菌判定は、除菌後4週間以降で行います。
血清抗体検査は陰性化に1年くらいかかるので使えません。
1種の検査で陰性の時に限り、追加でもう1種検査を行うことができます。
【レジオネラ尿中抗原検査】
Legionella pneumophila1型のみを検出します。
日本ではレジオネラ感染症の50%を占めるのみなので、陰性すなわちレジオネラではないとは言えません。
重症度と関連して感度もあがるみたいです。
【肺炎球菌尿中抗原検査】
これも重症度に応じて感度が上がります。
この検査を提出するときは、肺炎の診断は付いていて、でも良質喀痰がとれないときになると思いますが、そのセッティングでの特異度は良くわからないです。
小児では特異度が低くなるみたいです。
【マイコプラズマ抗体検査】
文献的にはイムノカードマイコプラズマ抗体の感度、特異度は48%と79%で、計算すると陽性尤度比2程度です。これだけみるとあまり有用ではないのかもしれません。しかも対象は発症6日以降の検体なので、もっと早期のタイミングではさらに検査特性は悪くなるかもしれません。
なお、近くの病院の臨床検査科のデータだと、感度57%、特異度92%とのことです。これだといい感じですね。
参考:総合内科999の謎、感染症999の謎