2015年8月19日水曜日

気管支拡張症について



疑う機会があったので簡単にまとめます。

種々の肺感染症が契機となって発症することが多いです。
あとは悪性腫瘍などによる気管支閉塞も契機となりえます。

数か月~数年続く咳嗽とねばっこい喀痰をみたら本症を疑います。
あとは喀血の鑑別診断の筆頭ですね。


症状の出現頻度は、咳嗽98%、毎日の喀痰78%、呼吸困難62%、鼻副鼻腔炎73%、喀血27%、繰り返す胸膜炎20%です。

女性の気管支拡張症患者における失禁の頻度は47%とのことです。
一概には言えませんが、「失禁+咳嗽」をみたら気管支拡張症を想起してもいいかもしれません。

所見では、cracklesが75%、wheezeが22%で聞こえます。ばち指を来すのは稀です。


事実上、診断はCTです。
細かいものを無視すれば、3つのサブタイプに分かれます。

・cylindrical
最も一般的なタイプです。気管支の輪切りが見えます。


・varicose
比較的まれなタイプ。


・cystic
重症。胸膜にまで広がる。二ボーが見える。



参考
UpToDate: Clinical manifestations and diagnosis of bronchiectasis in adults
American Journal of Roentgenology. 2009;193: W158-W171.
Radiopedia.org: Bronchiectasis