2015年8月5日水曜日
CIDPの亜型について
sensory dominant CIDPと診断された方がいましたので
良い機会だと思い勉強してみました。
典型的なCIDPは、比較的緩徐に進行する対称性かつ運動神経優位の末梢神経障害を呈します。腱反射が消失します。とはいえ突然悪化することもあるみたいです。
遠位筋も近位筋も筋力低下が起こるというパターンが脱髄性ポリニューロパチーの特徴です。
一方、感覚神経は遠位から近位へと障害が進行します。
CIDPはヘテロな疾患群である可能性が示唆されています。
CIDPの亜型としては以下の通り。
・Lewis-Sumner症候群
multifocal acquired demyelinating sensory and motor neuropathy(MADSAM)ともいいます。
運動神経、感覚神経の両方を傷害する多発性単神経炎を呈します。
・Sensory-predominant CIDP
感覚神経が優位に障害されます。温痛覚より振動覚、位置覚が強く障害されます。(太い神経から障害される)
平衡感覚障害、疼痛、感覚異常が出現します。
筋力低下がなくても、検査をすると伝導速度は低下しています。
・Distal acquired demyelinating sensory neruopathy(DADS)
典型的なCIDPより進行が緩徐。
IgMパラプロテインが見られることが多い。その場合、通常のCIDPの治療に抵抗性となる。
・CIDP with CNS involvement
10-20%の患者で、脳神経障害、球麻痺症状が起こる。
視神経障害、腱反射亢進、バビンスキー陽性、MRIにて中枢神経の脱髄所見などがみられる。
まとめると、古典的なCIDPの特徴は以下の通り。
Progression over at least two months
Weakness more than sensory symptoms
Symmetric involvement of arms and legs
Proximal muscles involved along with distal muscles
Reduced deep tendon reflexes throughout
Increased cerebrospinal fluid protein without pleocytosis
Nerve conduction evidence of a demyelinating neuropathy
Nerve biopsy evidence of segmental demyelination with or without inflammation
一方、これにあれはまらないものもあるということを認識しておきましょう。
もちろん、除外診断が基本になります。