2021年7月7日水曜日

研修医採用面接にかかるCO2排出量

Liang KE, Dawson JQ, Stoian MD, Clark DG, Wynes S, Donner SD. A carbon footprint study of the Canadian medical residency interview tour. Med Teach. 2021 Jul 6:1-7. doi: 10.1080/0142159X.2021.1944612. Epub ahead of print. PMID: 34227912.


背景

毎年春になると、何千人ものカナダ人医学生が、研修医採用面接のためにカナダ全土を移動し、このプロセスは「CaRMSツアー」として知られている。大規模な移動であるにもかかわらず、CaRMSツアーの環境面での調査はほとんど行われていない。


目的

CaRMSツアーに関連するフライトの全国的なカーボンフットプリントを推定するとともに,代替モデルへの移行によって達成可能な排出量の削減を図る。


方法

3つの質問からなるオンライン通勤調査を実施し,2020年のCaRMSツアーに参加する受験者の試験のための旅行日程を収集した。すべてのフライトに関連する排出量を計算し、2つの対面式面接モデルと2つのバーチャル面接モデルの予想排出量をモデル化した。


結果

カナダの全17校の医学部における2943名の受験者のうち、960名から回答を得た。2020年のCaRMSにおけるフライトのカーボンフットプリントを4239tCO2e(二酸化炭素換算トン)、受験者1人あたり平均1.44tCO2eとと算出した。平均的な受験者のツアーでの排出量は、平均的なカナダ人の家庭の年間カーボンフットプリントの35.1%に相当し、26.7%の回答者の排出量は、年間の「2050年のカーボンバジェット」全体を超えていた。対面式の面接を一元化すると13.7%から74.7%、バーチャル面接では少なくとも98.4%から99.9%の排出量を削減することができる。


結論

カナダで義務付けられている研修医の対面式面接は、大きなCO2排出量をもたらし、排出量の多い慣習を反映している。CaRMSツアーではかなりの脱炭素化が可能であり,バーチャル面接に移行することでフットプリントをほぼ完全になくすことができる。


感想

これは着眼点がまさに目からうろこです.極めて重要なテーマだと思います.