2021年7月9日金曜日

糖尿病患者ケアに家族を巻き込む

 Zupa, M.F., Lee, A., Piette, J.D. et al. Impact of a Dyadic Intervention on Family Supporter Involvement in Helping Adults Manage Type 2 Diabetes. J GEN INTERN MED (2021). https://doi.org/10.1007/s11606-021-06946-8


背景

成人の糖尿病治療に対する家族の支援は、自己管理と転帰の改善に関連するが、医療従事者は支援者を巻き込むための構造的な方法を持っていない。


目的

患者支援者による糖尿病管理介入により,支援者の患者の糖尿病ケアへの関与,支援技術,介護経験に与える影響を評価する。


デザイン

多変量回帰モデルを用いて,ダイアド(患者,支援者双方)的介入と通常ケアに参加者を無作為化した大規模試験の一部として観察された支援関連指標のグループ間差を検討した。


対象者

HbA1cが8%以上、または収縮期血圧が160mmHg以上の2型糖尿病患者で、家族の支援者が登録されている成人239名。


介入方法

ヘルスコーチがポジティブサポート技術のトレーニングを行い、自己管理に関する情報共有と目標設定を促進した。


主要評価項目

糖尿病ケアにおける支援者の役割と介護の経験について、ベースライン時と12ヵ月後の患者と支援者の報告。


結果

12ヵ月後、介入を受けた患者は、医療機関への予約を忘れない(AOR 2.74、95%CI 1.44、5.21)、自宅での検査を行う(AOR 2.40、95%CI 1.29、4.46)、オンラインポータルにアクセスする(AOR 2. 34、95%CI 1.29、4.30)、医療機関への連絡時期を決定する(AOR 2.12、95%CI 1.15、3.91)、薬を取りに来る(AOR 2.10、95%CI 1.14、3.89)といった項目で支援者の関与が増加したと報告したが、診察予約や健康的な食事や運動の項目ではぞうかはなかった。介入を受けた患者は、自律支援型のコミュニケーション(7点満点で+0.27点、p=0.02)と目標設定のテクニック(5点満点で+0.30点、p=0.01)を支援者が使うようになったと報告した。患者の糖尿病に対する支援者の苦痛や介護の負担を評価するスコアの変化には、12カ月時点で差はなかった。介入で割り当てられたサポーターは、自分の役割に対する医療制度のサポートに対する満足度が有意に大きく向上した(10点満点で+0.88点、p=0.01)。


結論

ダイアド介入は,家族支援者のストレスを増加させることなく,家族支援者の糖尿病自己管理への関与を増加させ,ポジティブな支援技術の使用を増加させた。


感想

糖尿病のケアに家族を巻き込むことについての研究ですね.糖尿病患者に対する家族志向ケアはときどき研究テーマになっている容易思います.「家族の木」ですね.