2021年7月19日月曜日

共同設計を高齢者医療研究に持ち込む

John Travers, Roman Romero-Ortuno, Éidin Ní Shé, Marie-Therese Cooney, Involving older people in co-designing an intervention to reverse frailty and build resilience, Family Practice, 2021;, cmab084, https://doi.org/10.1093/fampra/cmab084

背景
一般市民を対象に調査を行うより、一般市民とともに調査を行うことが,ヘルスリサーチにおいて重要なことです。高齢者対象の研究で Public and patient involvement(PPI)を行うことは、参加者数、関連性、影響力を改善させることができる。しかし、フレイル研究におけるPPIを用いた研究はほとんどない。PPIは、Covid-19パンデミックのため衰退している。

目的
我々は、フレイルを回復させ、レジリエンスを構築するための無作為化対照試験(RCT)介入の共同設計co-designingに高齢者を参加させることを目的とした。また、我々のアプローチを説明することで、高齢者とのPPIをより広く利用してもらいたいと考えた。

方法
高齢者の参加は3つの段階で行われた。18人の65歳以上の高齢者が、ソクラテス教育法を用いた2回のグループディスカッションで、運動介入策の共同設計に協力した。9ヶ月間にわたり、94人が介入のフィードバックを1対1の電話インタビューで行った。10人の協力者が、3回のオンラインワークショップで介入方法の最適化を支援した。共同設計には、学際的なチームの意見と系統的なレビューが用いられた。

結果
グループディスカッションの参加者(平均年齢75歳、女性61%)により、11種類の家庭でのレジスタンス運動が共同設計された。フレイルへの介入形式、男女のバランス、GPフォローアップは電話インタビューで形成された(平均年齢77歳、女性63%)。食事指導と患者とのコミュニケーションは、ワークショップで共同設計された(平均年齢71歳、女性60%)。テクノロジーはPPIの障害にはならなかった。共同設計されたフレイル介入は、確定的なRCTで現在評価されている。

結論
フレイルを改善し、多様な方法で回復力を高めるための介入策の共同設計に、112名の高齢者が参加したことは有意義であった。パンデミック時にも包括的な関与を実現できる。フィードバックにより、実際のプライマリーケアでの介入の実現性が高まった。

感想
共同設計は当事者研究と関連してこれからのプライマリケア研究のキートピックになると思っています.