2021年7月29日木曜日

退院後のフォローアップは1週間が勝負!?

Coppa K, Kim EJ, Oppenheim MI, Bock KR, Conigliaro J, Hirsch JS. Examination of Post-discharge Follow-up Appointment Status and 30-Day Readmission. J Gen Intern Med. 2021 May;36(5):1214-1221. doi: 10.1007/s11606-020-06569-5. Epub 2021 Jan 19. PMID: 33469750; PMCID: PMC8131454.

https://link.springer.com/article/10.1007/s11606-020-06569-5


背景

退院後のフォローアップ予約は、入院後の患者の回復状態を評価することを目的としているが、予約状況が再入院とどのように関連しているかは不明である。


目的

退院後の外来フォローアップの状況((1)予約された予定があること、(2)予約された予定通りに受診したこと)と30日後の再入院との関連を検討する。


デザインと設定

Integrated Delivery Networkに参加している12の病院に入院した患者と、同ネットワーク内の外来診療予約者を対象としたレトロスペクティブコホート研究。


対象者および主要評価項目

2018年に入院してから18か月以内に外来予約をした50,772人の患者を対象とした。主要アウトカムは退院後30日以内の再入院とした。


主要な結果

予定されたフォローアップの予約があった患者は3万2,108人(63.2%)、フォローアップがなかった患者は1万8,664人(36.8%)で、2万8,313人(88.2%)が受診し、3149人(9.8%)が欠席し、646人(2.0%)が予定された予約の前に再入院した。全体の30日再入院率は7.3%で、予約通り受診した患者では6.0%[5.75~6.31]、フォローアップを受けていない患者では8.8%[8.44~9.25]、予定された予約を逃した患者では10.3%[9.28~11.40]であった(p<0.001)。共変量を調整したところ、退院後1週間以内に予約外来を受診した患者は、フォローアップの予定がない患者に比べて再入院の可能性が有意に低かった(内科での調整ハザード比(aHR)0.57 [0.47-0.69]、p < 0. 001; 外科ではaHR 0.58 [0.44-0.75], p < 0.001) フォローアップ外来を受診した内科患者は、フォローアップの予定がない患者に比べて、3週目および4週目のリスクが増加した(3週目のaHR 1.29 [1.10-1.51], p = 0.001; 4週目のaHR 1.46 [1.26-1.70], p < 0.001)。


結論

退院後の予約時間に到着した患者の利益は、フォローアップの予約を逃した患者やフォローアップの予定がなかった患者と比較して、退院後1週間目にのみ有意であり、30日再入院を減らすためには退院後1週間以内の連携が重要であることが示唆された。


感想

退院後のフォローアップは1週間以内が勝負ということのようです.

本文には,はっきりとどんな介入をしたかは書かれていませんでした(後方視の観察研究なので仕方ないですが).

退院後状態が安定しているかが再入院に関係する重要な因子であり,そこをみるためには1週間以内じゃないと効果的じゃない,という主張のようです.

アメリカでは30日再入院率が高いとペナルティがあるようですね.そりゃあ切実な問題になりますよね.

他に重要だと思った文を引用します.

A development of a 30-day risk calculator would be helpful to prioritize whom to schedule for follow-up in 1 week.

We also found that 10% of patients did not show up to their appointment. It will be important to assess the factors, particularly social determinants of health, which may be affecting arrival to the appointment.