2015年7月5日日曜日

帯状疱疹/甲状腺機能低下症/院内感染/胸水のドレナージ



日頃の貯まった疑問をさっくり解決しましょうのコーナー。

・口腔内帯状疱疹
専攻医の先生が外来で、片側の顔面疼痛を主訴に来院した方を診察して、
歯肉にこんな皮疹があったので帯状疱疹と診断したとのことでした。
へー、こんな感じになるんですね。
こちらより引用



・帯状疱疹による脳卒中
そういや顔面の帯状疱疹って大脳の動脈炎をおこして脳卒中になることがあるってどこかで聞いたことがあるなと思い調べてみました。
UpToDateのStroke caused by varicella zoster virusでは以下の通り。
虚血性脳梗塞だけでなく、様々な病変を撮りうるとのことです。
巨細胞性動脈炎みたいに側頭動脈を侵して失明に至らせることもあります。
2/3の患者さんで脳脊髄液中単球増加します。確定診断は髄液PCR。
典型的には白質と灰白質の境界に病変がでます。


・橋本病で甲状腺結節が見られる場合
殆どが良性の結節だそうですが、乳頭がんの合併が多いという研究があるので
特に単結節の場合は注意すべきかもです。
こちらのブログを参照してください。


・甲状腺機能低下症で難聴が起こる?
こちらの論文に日本での症例報告があります。
おそらく神経障害が起こるためであろうということになっています。
甲状腺機能低下症を診断するスコアとしてBillewicz scoreがありますが、
疑えば採血すればいいと思うので、そんなに頼らなくてもいいと私は思います。
スコアの項目はしっかり覚えておきましょう。難聴もしっかり入っています。


・CRBSI
紹介状に記載があって、何コレ?と思って調べたら
カテーテル関連血流感染(Catheter Related Blood Stream Infection)のことでした。
ちなみに人工呼吸器関連肺炎はVAP(Ventilator Associated Pneumonia)です。
カテーテル関連尿路感染はCRUTI (catheter related urinary tract infection)です。


・胸水をドレナージする適応
分かりやすいのはpH<7.2です。リトマス紙さえあれば判別できます。
くわしくはこちらのブログが分かりやすいです。