Twohig H, Geddes O, Dale J, Dahlmann F, Earle J, Eccles A, Gregg M, Nunes AR, Spencer R, Karaba F, Thomas N, Atherton H. Factors influencing implementation of decarbonisation actions in general practice: longitudinal multi-centre case-study. Br J Gen Pract. 2026 Sep 22. doi:10.3399/BJGP.2026.0143. https://bjgp.org/content/early/2026/09/22/BJGP.2026.0143
背景
英国国民保健サービス(NHS)は2040年までにネットゼロを達成することを目指している。家庭医療診療所はその実現に重要な役割を担うと認識されているものの、脱炭素化の取り組みがどのように実装され、またその進展をどのように支援できるのかについては、十分に明らかになっていない。
目的
家庭医療診療所における脱炭素化の取り組みの実装に影響を与える、制度的、組織的、専門職上の要因を、時間経過とともに明らかにすること。
デザイン・セッティング
イングランドの12の家庭医療診療所を対象とした縦断的質的ケーススタディ。
方法
各診療所が、12か月間に実施する3~5個の測定可能な行動からなるGreen Action Plan(GAP)を作成した。ベースライン時のワークショップ、3か月ごとのフォローアップ「check-in」ディスカッション、最終フォーカスグループを通じて質的データを収集した。Normalisation Process TheoryおよびTheoretical Domains Frameworkに基づいてトピックガイドを段階的に作成し、Framework analysisを行った。
結果
脱炭素化に影響を与える要因として、以下の5つのテーマが明らかになった。
制度的障壁(systemic barriers)
組織文化とコミュニケーション(culture and communication)
キャパシティと競合する業務(capacity and competing demands)
「実際に機能させること」(‘making it work’)
行動、態度、感情(behaviour, attitudes and feelings)
NHSのより広範な優先課題と整合する取り組みや、時間・費用の効率化につながる取り組みは、日常業務に組み込みやすかった。一方、個人の行動変容を必要とする取り組みや、外部システムに依存する取り組みは、実装がより困難であった。また、政策面での調整不足や、施設・インフラに対する診療所の管理権限の限界が、進展を妨げていた。
結論
診療所レベルでは、日常業務に組み込むことができ、効率化にもつながる取り組みが、最も実施しやすい。持続的な変化を支えるためには、国レベルでの指示的な政策と、システムレベルで調整された支援が必要である。すでに多くの業務上のプレッシャーが存在する中では、個人の行動変容は困難であるが、支援的な組織文化とチームでの協働が、その進展を促進しうる。
感想
Greener practiceの実践よりの研究で面白いです。実装をどうするかというのはいかなる時も課題ですね。