Gopfert A, Deeny SR, Fisher R, Stafford M. Primary care consultation length by deprivation and multimorbidity in England: an observational study using electronic patient records. Br J Gen Pract. 2021 Feb 25;71(704):e185-e192. doi: 10.3399/bjgp20X714029. PMID: 33318089; PMCID: PMC7744040.
https://bjgp.org/content/71/704/e185.short?rss=1
背景
multimorbidity患者のケアを改善する方法の一つとして、GPの診察時間を長くすることが推奨されている。スコットランドでは、multimorbidity患者で貧困地域に住む患者は診察時間が長くないが、貧困地域にすむmultimorbidityでない患者は診察時間が長い。このinverse care lawはイングランドでは検討されていない。
目的
社会経済的剥奪とmultimorbidityによるGPの診察時間の違いを評価する。
デザインとセッティング
Clinical Practice Research Datalink から抽出したイングランドの成人 190 036 人の 2014 年 4 月 1 日から 2016 年 3 月 31 日までの 120 万件の診察を無作為にサンプリングした。
方法
受診期間は、患者の電子カルテを開いた時間と閉じた時間から算出した。平均受診時間をmultimorbidityのレベルとタイプ別に推定し、受診回数、その他の患者とスタッフの特性、患者と診療所のランダム効果で調整した。
結果
診察時間は平均10.9分で、平均時間は状態の数が多いほど長くなった。6つ以上の状態を有する患者では、そうでない患者よりも0.9分(95%信頼区間[CI]=0.8~1.0)長かった。multimorbidity患者で精神疾患を有する患者は、multimorbidityではない患者に比べて0.5分(CI = 0.4~0.5)長かった。しかし、multimorbidityのすべてのレベルにおいて、最も恵まれない5分の1の地域では、診察時間が0.5分(CI = 0.4~0.5)短くなっていた。
結論
イングランドのGPは、より多くの疾患を持つ患者の診察時間を長くしているが、すべてのmultimorbidityレベルにおいて、貧困地域の患者は1回の診察時間が短い。multimorbidity患者の診察時間が患者やシステムのアウトカムに与える影響を評価するためには、さらなる研究が必要である。
感想
以前からこの傾向があることは明らかになっていましたが,さらなる証拠が出てきましたね.