Kinnear B, Kelleher M, Sall D, Schauer DP, Warm EJ, Kachelmeyer A, Martini A, Schumacher DJ. Development of Resident-Sensitive Quality Measures for Inpatient General Internal Medicine. J Gen Intern Med. 2020 Oct 26. doi: 10.1007/s11606-020-06320-0. Epub ahead of print. PMID: 33105001.
https://link.springer.com/article/10.1007/s11606-020-06320-0
背景
卒後医学教育(GME)研修は、患者ケアの質に長期的な影響を与える。にもかかわらず、研修医評価の一環として臨床ケア指標を用いているGMEプログラムは少ない。さらに、研修医のケアを反映する臨床ケア尺度を特定するためのゴールドスタンダードも存在しない。「患者ケアにおいて意味があり、研修医のケアに起因する可能性が最も高い尺度」と定義される研修医感知性質尺度(Resident-sensitive quality measure: RSQM)は、コンセンサス方法論を用いて開発され、小児救急医学で試験的に実施されてきた。しかし、このアプローチは内科(IM)ではテストされていない。
目的
前述のコンセンサス法を用いて、一般内科(GIM)病棟業務レジデンシーローテーションのためのRSQMを開発すること。
設計
著者らは、GIM病棟業務ローテーションのRSQMを作成するために、nominal group technique(NGT),次いでデルファイ法と2つのコンセンサス法を用いた。RSQMは、GIM病棟業務ローテーションで見られる特定の臨床状態,そしてGIM病棟での一般的なケアについて作成された。
参加者
NGT の参加者は、IM と内科・小児科(MP)の研修医 9 名と IM と MP の教員 6 名であった。デルファイグループの参加者は、IMとMPの研修医7名、IMとMPの教員7名であった。
主要評価項目
このプロセスで生成されたRSQMの数と説明。
主な結果
コンセンサス法により89のRSQMが得られ、状態別の内訳は以下の通りであった:GIMの通常ケア-21,糖尿病-161,高カリウム血症-14,COPD-13,高血圧-11,肺炎-10,低カリウム-4。すべての RSQM はプロセス尺度であり、48%が文書化に関連し、51%がオーダーに関連していた。RSQM の 58%は入院中の主要な診断に関連しており、42%は入院中に管理を必要とする慢性合併症にも関連していた。
結論
コンセンサス方式により、GIM 病棟業務のための 89 の RSQM が得られた。すべての RSQM はプロセス測定であったが、学習者評価、形成的フィードバック、およびプログラム評価においてまだ価値があると思われる。
感想
どうして疾患が限られているんだろうと思ったら,先行研究をもとにGIMで学ぶべき疾患をdiabetes mellitus, hypertension, chronic obstructive pulmonary disease (COPD), hyperkalemia, hypokalemia, and pneumoniaに限っているのですね.うーむ,果たして6つの疾患についてのみの尺度で意味があるのだろうか… 日本では,研修医が必ず経験しなくてはいけない30疾患(でしたっけ?)について同じようなものを作るといいのかもしれませんが,それだと項目数が多すぎますかね.