Lin, Z., Han, H., Wu, C. et al. Discharge Against Medical Advice in Acute Ischemic Stroke: the Risk of 30-Day Unplanned Readmission. J GEN INTERN MED (2021). https://doi.org/10.1007/s11606-020-06366-0
背景
医学的助言に反した退院(Discharge against medical advice:DAMA)は、再入院の増加と関連している可能性がある。
目的
急性虚血性脳梗塞(AIS)患者におけるDAMAを評価し、DAMAと30日間の予定外再入院との関連を明らかにする。
デザイン
レトロスペクティブコホート研究。
参加者
米国で2010年から2017年の間に自宅退院したAISの一次診断を受けた入院患者、またはDAMAの患者を特定するために,National Readmission Databaseを使用した。
測定
人口統計学的特徴、病院の種類、併存疾患、脳卒中の危険因子、重症度指標、治療について、通常通り退院した患者とDAMA患者との間で比較した。DAMAの予測因子を評価するために多変量ロジスティック回帰を用い、DAMAと30日間の計画外再入院との関連を評価するために、治療の重み付けのダブルロバスト逆確率法を用いた。
主要な結果
全体では、AIS患者1,335,484人が含まれ、そのうち2.09%(n=27,892人)がDAMAであった。AIS患者におけるDAMAの有病率は、2010年の1.65%から2017年には2.57%に増加した。DAMA患者と非DAMA患者の30日間の計画外再入院率はそれぞれ16.81%、7.78%であった。薬物乱用、アルコール乱用、喫煙、脳卒中の既往、精神病、静脈内血栓溶解療法を受けている患者は、DAMAのオッズが高かった。DAMAは全原因による再入院と関連し(OR、2.04;95%CI、2.01-2.07)、一過性脳虚血発作/脳卒中特異的および心臓特異的な再入院原因の強い予測因子であった。
結論
AIS患者ではDAMAの割合は低いが、DAMAは全原因および脳卒中特異的再入院の危険因子である。DAMAを減少させるためのコンプライアンスと医療への関与に関する問題に対処するためには、今後の研究が必要である。