Godard-Sebillotte C, Strumpf E, Sourial N, Rochette L, Pelletier E, Vedel I. Primary care continuity and potentially avoidable hospitalization in persons with dementia. J Am Geriatr Soc. 2021 Feb 26. doi: 10.1111/jgs.17049. Epub ahead of print. PMID: 33635538.
https://agsjournals.onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1111/jgs.17049?af=R
背景・目的
地域で暮らす認知症患者におけるプライマリケアの継続性の高さと回避可能な入院との関連を測定すること。我々の仮説は、プライマリケアの継続性が高いことが、回避可能な入院が少ないことと関連しているというものである。
デザイン
人口ベースのレトロスペクティブコホート研究(2012年~2016年)で、傾向スコアを用いて逆確率重み付けを行った。
セッティング
ケベック州(カナダ)の医療行政データベース.公的な国民皆保険制度で提供されるほとんどの一次、二次、三次医療サービスが記録されている。
参加者
2015年3月31日時点で,前年に少なくとも2回のプライマリケア受診があった,地域に住む65歳以上の認知症患者22,060人を対象とした人口ベースのサンプル(平均年齢81歳、女性60%)。参加者は、1年間、または死亡または長期介護入院まで追跡調査された。
曝露
2015年3月31日時点でのプライマリ・ケア継続性が高いこと、すなわち、前年1年間にすべてのプライマリ・ケアを同じ主治医のもとで受診したことがあること。
主なアウトカム指標
一次:外来ケアに敏感な状態(ACSC)の入院(一般および高齢者の定義)、30日間の病院再入院
二次:入院および救急外来受診で定義された追跡期間中の回避可能な入院。
結果
22,060人のうち、プライマリケア継続性の低い患者と比較して、プライマリ・ケア継続性の高い患者14,515人(65.8%)は、ACSCによる入院(一般集団での定義)(相対リスク低減0.82、95%CI 0.72-0.94)、ACSCによる入院(高齢者での定義)(0.87、0.79-0.95)、30日再入院(0.81、0.72-0.92),入院(0.90、0.86-0.94),救急受診(0.92、0.90-0.95)のリスクが低かった。 1つの事象を予防するために必要な治療数は、それぞれ118件(69~356件)、87件(52~252件)、97件(60~247件)、23件(17~34件)、29件(21~47件)であった。
結論
プライマリケア医との継続性を高めることは、認知症のある地域住民の入院回避の可能性を人口レベルで減らすための手段になるかもしれない。
感想
プライマリケアの継続性の効果を観察研究(傾向スコアマッチング)で示した研究としてとても重要だと思います.